13
13
しゃんしゃんと、軽快な鈴の音を響かせて。
子供も参加しているので早めに設けられた晩餐の席。
舞台に楽士と踊り手が上がって来た。
正面に座る父上と母上の前で一礼すると、リュートと笛と太鼓のにぎやかな曲に合わせて、ジャグリングする子供、くるくる回って踊る少女、トンボを切る道化。
目を丸くする子供たちの前でいろいろな芸が始まった。
空中から出した花束をささげられるマーガレット、火吹き男に驚くフランツ、飛び出すハトにきゃあきゃあ喜ぶ姫さん。
ノアと同じ黒い目で黒い髪の小さな踊り子は、ノアに近づいてばちんとウィンクする。
古き民の血を引く、と言われる流れる民は、馬車で国中を流れ歩く、定住しない人たち。
収穫期に農園の手伝いをし、歌や踊りで収穫祭りを盛り上げ、また馬車に乗って去っていく。
ローランディアでは合法だけど、帝国では最近取り締まりが厳しくなっているらしい。
定住しない流れる民や冒険者には、暮らしにくくなっているんだって。
主人夫妻と父上たちが頭の上でしゃべってるのを聞きながら、俺は食卓の下で、姫さんがこっそり落としてくれた、骨付き肉を幸せにかじっていた。
そして子供たちはお休みの時間。
姫さんはもう、半眠り。
俺、もうちょっと骨をかじってたいんだけど・・・とぐずぐずしてたら、音楽が変わった。
リュートの曲が甘く優しいものに変わり、踊り手が一人舞台に上がる。
さっきの少女がそのまま大きくなったような、黒い目と黒い髪の女。
手首と足首の鈴が、しゃん、と鳴る。
・・・こいつ・・・。
・・・こいつの魔力、はんぱじゃないぞ。




