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「ねこさんは賢いからね、家族の誰かが具合が悪いと心配するんだよ」
やっとノアの熱が下がって、みんなでお茶に集まった時、犬好きの父上はそう言って、ノアの寝室についていた俺を自慢した。
その時の、ノアの顔。
父上は気付かず言ったんだろうけど、『家族』って言われたときに、ぱーっと頬が染まったよ。
いままで、そんなに寂しかったの、ノア?
でも俺、フランツが寝込むことがあっても、ぜーんぜん心配してやらないもんね。
俺の一番は姫さんで、次が父上、母上で、あんたはその次くらいだよ、ノア。
あんたのほかに魔力持ちはいないもの。
あれ?
なんか違うぞ。
いつからこんな事になった。
俺の一番は俺様だい!じゃ、なかったっけ・・・。
「どうしたの、ねこさん。なんだか元気がないわよ」
「どうせまた、変なものでも食べてきたんでしょ」
「意地汚いものな、こいつ」
うるさいやい。
俺、本気で悩んでいるんだから。
俺の一番は俺だよ。
それが一番大事なことだ。
魔力を溜めて、魔力を溜めて、俺はもっともっと強くなるんだ。
これを忘れていたなんて。
俺はどうしちまったんだろう。
「ねこしゃん、おなか、いたいの?」
「苦しそうではないけれど、なんか深刻そうな顔だな」
「仔犬にも、知恵熱ってあるのかしら」
「ねこさん、厨房で骨付き肉でももらってきてあげようか?」
ぴくん。
『肉?いま、肉って言った?』
「あ、起きた」
「大丈夫そうだな」
『肉って言った?ねえ、言った?
行こう行こう、厨房へ行こうよっ!』




