24/253
5
5
困ったなぁ。
ノアが何で弱っちいのかはわかったけれど。
どうしたらいいんだろう。
姫さん以外に、俺の思念は通じないし。
それも、「だめ」と「とまれ」と「おて」と「おすわり」と「まて」だけなんだものなぁ。
この城の人たちは、全然魔力を使わない。
持ってはいるけど、魔力の溜め方も、流し方も知らない。
だから医者でさえ、魔力が多すぎてコントロールができないノアを、理解することが出来ないんだ。
やり方はわかってるのに伝えられないって、とってもいらいらするんだけど。
熱が高くて苦しそうだね。
寝台に近づいたら、気付いたノアは手を伸ばして小さな声で俺を呼ぶ。
「・・・やあ、ねこさん」
だけどよじ登って顔を舐めようとしたら、女官が俺の脇の下に手を入れて持ち上げちまった。
おい、離せよっ!
後足をばたばたさせて抗議するが、そのまま部屋の外に連れて行かれて、ぽいっ。
慰めてやりたいのに、なんでじゃまするんだよぉ!
これに「来い」と「持って来い」覚えたら、姫さんは優秀な家庭犬になれます(笑)
生後半年では、人間の力にはかないません。
(いま体重が12キロほどあるので、女官さんは腰痛になるかもしれないけれど)




