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何だかごちゃごちゃと騒いでたなと思ったら。
なぜか姫さんと俺、レスリーとケインが、王子のもとへ呼ばれることになってしまった。
「なんでこの子がよばれて、俺がだめなんすか!」
と、カイトが文句たらたらだったけど。
「向こうが言って来たことだ。私が知るか!」
と、レスリーさんはとっても不機嫌。
という事で、俺たちは夕食後の納屋に呼び出されたんだ。
期待に顔を輝かせているリール王子と、冒険者風情が、と言う顔のお付きたちの前に。
レスリーたちにはワインが、姫さんにはお茶とお菓子が出て・・・え?俺には無し?
「よく来てくれた!無礼講だ、くつろいでくれ!
フィアレス・リーとキラー・ケイン。
君たちの武勇伝は何度聞いてもわくわくする!」
王子の耳にも入るなんて、あんの吟遊詩人のヤロー・・・あの歌をどこまで広めたのやら・・・
と、レスリーが口の中でぶつぶつつぶやいてから、言った。
「・・・何をお聞きになったにせよ、吟遊詩人たちの手で大きく脚色されていると存じますが」
「うん、だから、本人の口から聞きたい!
教えてくれ、魔獣百頭切りの真実を!」
(・・・ううーーー・・・)