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最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子
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 みんながわいわい騒がしい、と、思ったら。

 喜んで家のてっぺん、いや、城の物見櫓っていう所に駆けつけていく。


 遠くに見える、砂煙。

 姫さんの父上と、仲間たちが帰って来たんだ!


 みんなが歓声を上げるから、俺も思いっきり吠えまくった。


 姫さんたちはお上品に部屋の中で待つっていうんだけど、俺は一刻も早く父上に会いたくて中庭に駆けて行った。

 


 帰った人と迎える人で中庭はごった返している。

 俺は低いからみんなの脚しか見えないよぉ。

 情報は先に鼻から入ってくる。

 長旅で汗をかいた馬の群れの匂い。汗と汚れのしみ込んだくたびれた革製品の匂い。

 大きな荷物を積んだ何台もの馬車。

 たくさんの人間の汗と汚れと埃と怪我の匂い。

 そして、見つけた!父上の匂い!


 父上が馬から降りるのを待ちかねて、お尻をうずうずさせて待機。眼があった途端、おかえりなさいと飛びついた。


「おっ!マリアンの「ねこ」じゃないか。大きくなったな。

 そろそろ母犬のラスを越えるか。

 しかし、しつけは出来ておらんなぁ」

 

 最後の一言は余計だよっ!


「・・・猫?・・・」


 馬の上から、小さな声。


 父上は笑って言った。

「ねこさんという名の犬だよ。

 下の娘のマリアンの犬だ。

 後でみんなに紹介しよう。

 今はゆっくり休むと良い」


 鞍に乗せていた、マントにくるまれた子供を抱き下ろす。

「ほら、新しい家族だよ、ねこさん」

 城の仲間たちとは違う匂いの、変わった少年。


 深く匂いを吸い込むと、俺の中で何かがぴくん、と跳ねた。


『こいつ!魔力持ちだ!』

 

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