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最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子
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「いや、嬢ちゃんのおかげでほんとに助かった。

 なんて運がいいんだ」


 ベンさんたちは大喜び。


 何年も前に森に狩りに来て、姫さんにお菓子をくれた男の子は、なんとこのダーラムシアの王子様だった。

 それで、王子様のお声がかかった事で、俺たちの待遇ががらりと変わったんだ。


 ダーラムシアの軍は腐敗してて、縁故と賄賂が横行していると言うんだけれど、さすがに王子様の知り合いに無茶を言う奴はいない。


 兵士たちの応対が丁寧になり、ベンさんの品物にはちゃんと対価を払ってもらえ、なんと火事の見舞金まで下賜された。


 リール・ラムシス・ダーラムという長ったらしい名前の七番目だか八番目だかの王子様は、王族で将軍と言う地位にあるのに、上の方でふんぞり返ってないで、軍隊と行動を共にし、兵士たちに気さくに話しかけるので、とても評判がいいらしい。


 古強者らしい年寄りやら、騎士やら、お付きやらに囲まれてるから、実際の戦はそっちがするんだろうけどね。




「・・・ダーラムシアの王子なら、ノアの家族だったんだね」

 姫さんが、ぽつりと言った。


 そう、ローランディアに人質として送られてきて、俺たちと一緒に暮らしてたノアも、ダーラムシアの王の子供だった。

 じゃあ、こいつとは兄弟になるのか。

 人質じゃなかったら、ノアもこんなに立派になっていたのかなぁ。


 戦が始まって、ローランディアの王都に送られる馬車を見送ったのが最後だった。

 今頃、どうしているんだろう。


 無事でいるといいけど、と、姫さんが悲しそうにつぶやいた。

 

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