185/225
10
10
それでもって、合流した後のレスリーが怒ったことったら。
もう、冒険者の風上にもおけない役立たずって。
さんざんな言いように、姫さんが目を丸くしていたけど。
ちょっと姫さん、あの悪口は覚えちゃだめだよ。
カイトの奴、威圧されて、真っ青になってだらだら汗を流してた。
護衛が馬車を離れた上、敵をこっちまで引っ張ってきちゃって。
本人は戦わず、護衛対象が戦ってみんな倒しちまったんだから。
まぁ、言い訳のしようもないわな。
これに懲りて、冒険者になるのはあきらめるんだね。
農場を襲っていた十人は、レスリーたちが全部倒して、あの三人は少し離れて見張りをしていたらしい。
仲間がやられるのを見て、やばいので逃げ出す途中、のこのこ見に行ったカイトと出会ってしまったんだ。
木立から馬車を出して、農場へたどり着くと、燃え上がる母屋を前に、数人が呆然と立ちすくんでいる。
野盗はやっつけたけれど、火の回りが早くて、消火できなかったんだって。
レスリーたちが来なかったら、外へ逃げて野盗の弓矢にやられるか、家と一緒に焼け死ぬかしかなかったんだ。