184/225
9
9
道まで馬で出ていったカイトだが。
ちょっとすると全速力でこっちに戻って来た。
戻って来たのはいいが、後ろに三騎・・・え?
野盗?
こら、敵に見つかったら、守る相手から引き離して一人で逃げろよ!
「隠蔽」を破った上、引き連れてこっちへ戻って来るんじゃないーっ!
「あの馬鹿っ!」
ベンさんが額を叩いた。
まっすぐこっちへ向かってくるから、あー、やつら俺たちを見つけたな。
「先頭の革鎧はわしが。
嬢ちゃんは十分ひきつけてから次を」
「わかった」
姫さんは矢をつがえ、狙う。
ひきつった顔のカイトが傍を駆け抜ける。
続く野盗に、ベンさんが投げたのは、え?商品の金串?
焼き肉用の金串は、見事野盗の喉に刺さった。
姫さんが矢を放ち、肩に当たった二人目が落馬する。
三人目は馬上で剣を抜いて振り上げ・・・
よし、こいつは俺がもらった。
後ろから馬の尻に飛びついた俺は、剣帯に噛みついて、棒立ちになった馬から引きずり落し、したたかに身体を打った男の喉笛を狙う。
そうしてる間に、ベンさんか落馬した二人目を片づけた。
三対二と一匹だったけど、うん、楽勝。