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「うん、あの農場に麹を渡して、いくつか仕込み、嬢ちゃんに世話をしてもらう。
それで雇ってもらえるかも知れん。
どうせあの犬も、一緒だろう?あいつは家畜の見張りとか、出来るかね?」
「「ねこさん」は何でもできるよ」と、姫さんが自慢する。
もちろん、おれが姫さんから離れるわけないじゃん、と、姫さんの横に並んだら。
冒険者の女はざっ、と一歩動き、連れの男は剣に手をかけやがった。
おいおいおい。
やっぱり凄い奴等には、俺の凄さがわかるのかぁ。
と、くわぁーと大口をあけてあくびして、ずらりと並んだ歯を見せつけてやる。
「これは・・・でかいな」
「犬・・・なのか?」
「こいつはマリアンの「ねこ」だよ」
「猫?もろ、犬じゃないか」
「「ねこ」って名の犬だ」
「図体はでかいが気のいい奴さ」
子供たちのおもちゃになってる俺を見慣れてる村人たちは、よそ者のいつもの反応に笑う。
長年俺を見慣れすぎちゃって、まったく違和感なくなってるけど。
うん、俺ちょっと、規格外かも。
「不思議な眼をしているな」
「一瞬、魔獣かと思った」
うん、やっぱり凄い奴等は、眼の付け所が違う。
え?魔獣?