168/225
6
6
「種麹かぁ。レイクの南に農場を持っとるおかみが仕込みが上手くてな。
あれに見せれば何とかしてくれるかもしれんが・・・」
ブツブツ言ってたベンさんははっと気が付いて。
「ああ、こちらは古い知り合いだ。
王都に用があるそうなんで、最近道中が物騒だから同行をお願いしてる」
大きな剣を装備した姿に、ちょっと引いてた村人たちは、ベンの古い知り合いとの言葉に警戒を解く。
「ねえねえ、あなたたちは冒険者?」
双子の片割れのリンが無邪気に聞いた。
大きな女性はちょっと目を見開くと、静かにうなずいた。
初めて見る、本物の、冒険者たちだ。
姫さんと子供たちの眼の色が変わった。