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学院長ラダスターン、辞任。
カール・フォン・ステルツ教授、バートラム講師、降格、減給。
七学年生エリー・ラムシス、一学年生ノーラン・モード、ダリル・スタントン、謹慎三か月。
一学年生ジャニーン・ノール退学。
今回の不幸な事故については、全員に魔道契約による口外禁止処置を取る。
「なぜ!なぜ皆は謹慎なのに私だけが退学になるの!
皆同じはずなのに、なぜ私だけ!」
納得できないジャニーンが叫ぶ。
「皆同じ事をしたのに!皆同じあの・・・あの・・・ごほっ!」
いきなり咳き込んで、喉をおさえる。
全員が魔力を込めた契約を結んだので、ノアの事件についてしゃべることが出来なくなっているのだ。
「私だけが庶民だからなのね!皆後ろ盾のある貴族様ですものね!だから私・・・私だけが!」
気の毒に。
エリーは思った。
今度のことで一番の被害にあったのはこの子だ。
田舎町から出て来て、奨学金をもらって入学した、期待の星だったはずなのに、こんなことに巻き込まれて。
泣きながら出て行こうとする、小さな肩を抱いて、耳元でそっとささやく。
「あきらめないで」
「せ、先輩!」
「話すのを禁じられただけだ。練習を止めろとは、言われていない」
「あ・・・」
「続けよう。ノアのやり方は、正しい。
学校を離れても、諦めないで。
先に行くから、追いついておいで」
「はい!エリー先輩!」