14
14
「でも、ここで知り合いがすれ違うなんて奇跡みたいな確率だ。
浜辺の砂粒が別々の浜に放り出されて、もう一度隣り合うみたいなもんだぜ。
いやー、ラッキーだなー、俺たち」
ねこさん・・・ローランディアの皆は・・・
「ん、みんなばらばらになっちゃったけど、俺は姫さん、マリアンと一緒」
「マリアン!マリアンは無事なんだ!」
「ん、すてきな女の子に育ったぜ。
んでもって、俺たちいまダーラムシアの東の果ての、魔の森の近くにいるんだ」
え?
ダーラムシアの東?
なんでそんなとこに!
「んー、いろいろあってさぁ。
あ、そうだ、ノア、来てくれないか?」
え?
「今、っていうか、お前には数年先か。
マリアンがちょっとやっかいな事になってるんだ。
助けに行ってくれるかい?」
マリアンが?行く!絶対!
でも、そこはどこ?そして、いつ?
「いつって・・・えーと、マリアンはいくつになったかなぁ。
あ、いけね。おまえ、そろそろやばいぞ」
え?
「本体に戻らないと、やばいって!
ほら、急いで!」
そう言うと、相手はとん、とノアの意識体を押す。
軽くつつかれただけで、ノアは凄い勢いで河から遠ざかっていく。
待って!ねこさん!
未来って、いつなの!
そこは、どこなの!
ねこさんーっ!