表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子
155/225

12

12

 ふっ、とひどい頭痛が消えて、楽になった。


 気が付くとノアは寝台から離れて宙に浮き、ラダスターン学院長の濃紺の頭を見おろしていた。

 

 寝台に横たわるのは、黒い髪の痩せた男の子。

 少年の頬に流れる一筋の涙を優しくぬぐって、ラダスターンはため息をつき、うなだれた。


 あれ?あれは・・・


 あれは僕なの・・・?

  

 そしてノアは今の自分に肉体がない事に気付いた。


 僕は・・・死んじゃったの・・・?

 そうか・・・


 悲しいあきらめが、ノアを満たしていく。

 僕はここでもいらない子なのか・・・

 もう、死んじゃってもいいか・・・


 肯定した途端、すうっと引っ張られる感じがして。


 あたりは暗い、砂の連なり。

 どんよりした灰色の空の下、眼の下にはどこまでも続く砂の原。

 そしてその先には。

「湖?河?」

 真っ黒な、果てしない水の広がり。


 宙に浮いたまま、ノアはふらふらと、そちらに引き寄せられていく。


「流れてる・・・河だ・・・」

 向こう岸が見えないほど広い、暗い、真っ黒な・・・


 ああ・・・僕は死んじゃったのか・・・



 誰もいない。

 風と、砂と、黒い大河。

 ここは・・・死の世界?


 河に引き寄せられながら、ノアは思う。


 なんて・・・寂しい所・・・

 


 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ