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異端審問官だと?
一体、誰の告発だ!
鋭く息を呑む声に、ステルツ教授は後ろの助手を振り返る。
「ロベリア?君が?」
空色の髪の女性は、真っ青になって答えた。
「魔術を扱う者の、義務ですわ」
「一学年生ノアール、他四名の生徒は、三日後の査問会に召喚される。
それまで他の生徒との接触を禁止する。厳重に管理するように」
異端審問官?査問会?
聞きなれぬ言葉に、去っていくローブの人々を見送るノアは、ぐっと肩を掴まれた。
いきなりパン!と頬を叩かれる。
涙目になったジャニーンが、ぶるぶる震えている。
「異端審問官だなんて!
あなた、いったい何に私を巻き込んだの!
学年トップの私に、こんな汚点が着くなんて!」
「学院に審問官が現れるなんて、前代未聞だ!」
「深森の賢者は学校と無関係の立場じゃないか!」
「異端だと!なぜそんなことになる!」
驚き騒ぐ教授と仲間たちに、呆然とするノア。
いったい、あの人たちは、誰?
ノーランがノアの腕を取る。
「まずい事になりました、ノア王子」