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最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子
124/225



 俺が兎や雉を取ってくるのは、狩人たちにとっても都合がいい事だった。

 

 留守番が小物を狩って自給自足が出来るなら、狩人たちは自宅で消費する分を考えずに、大型の獲物だけを追って気楽に遠くまで行ける。

 半分は爺さんが罠で取ってるって思ってるみたいだけど。

 粗野だけど気のいい奴らは、ウサギの毛皮で作った外套を着て飛び回る姫さんを、ペットみたいにかわいがってくれてる。


 それに、婆さんは、ほんとに酒の仕込みがうまかった。


 大麦から作るエールだけじゃなく、ほとんどどんな穀物、果物、木の実だって酒になるんだって。

 麦は主食のパンを作らなきゃならないから、なかなかお酒に回せる量は取り置けない。

 長年の経験からくる発酵と香料の手加減で、何からでも美味い酒を醸しだせる婆さんは、ほんとに凄い腕だったんだ。


 余った酒は村の宿屋に持ってって、材料の穀物や雑貨と物々交換。

 味を占めた村の人たちにも受けが良く、よそ者扱いもすぐに収まった。



 この村は主街道から離れているから、戦の噂も入ってこない。

 秋の収穫の後に来た、領主の収税使からも、そんな話は出なかった。

 でも、もっと面白いものがやって来た。


 ちょうど姫さんと婆さんと一緒に、村に買い物に来てたんだ。

 村の子供たちが、わいわい騒いで村の入り口の方にかけていく。


「鋳掛屋のベンの馬車が来たよ!」


 小間物を売ったり、金物を修理してくれる道具屋の馬車だって。

 もう長年の付き合いなのか、女将さんたちはせわしなく、研いでもらいたい包丁や、底に穴の開いた鍋を取りに行く。



 がらんがらんじゃらじゃらと、派手な音を立てて、一台の馬車が入って来た。

 

 



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