表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子
118/225

11

11


 そして数日。


 ステルツ教授との苦しい交換の後は座学。午後は魔法の実践の授業。

 

 数学は皆より進んでいるノアだったが、戸惑ったのは歴史だった。

 ダーラムシアはかって大陸全土を治めていた大帝国だった。いにしえの魔道王国グランダラーム。偉大なる魔道王の末裔なのだ。と。

 ノアは全く知らなかった、母国の歴史を教師は誇らしげに語る。

 魔法は偉大。魔力を多く持つ者は、他に勝ると。



 そして、魔法の授業は相変わらず見学。


 初めての日に皆から絶賛された少女は、その後も頑張っていて、数回に一回は炎を灯すことに成功している。


「よぉーし、よくやった、ジャニーン!

 そのコツを忘れるんじゃないぞっ!」

 バートラム講師が叫ぶ。



 ちょっとふらつくようになった少女は、よろよろとノアの隣のベンチに向かい、どさりと座り込んだ。

 顔色が悪い。


「大丈夫?」

 ノアは小声で尋ねた。


「ん、平気。軽い魔力切れよ。休んでれば回復していくわ。

 まだ魔力量が少ないから、ついうっかり使い過ぎちゃうのよね」


 顔を上げ、手を差し出す。

「昼食の席で紹介されたけど、ジャニーンよ。よろしくノアール王子、いけない、ノア」


 うっかり口を滑らせ、ちょっと赤くなった少女は、はきはきした声で言った。

 赤と金の混じった、ふわふわの髪。

 目の色も金がかった茶色だ。


「みんな大きな声で詠唱をするんだね」


「ん。集中するために、詠唱をしっかり自分のものにしておけって。

 上級になれば、ほとんど声に出さなくても発動できるけど、まだまだ力んじゃうのよね」


「ふーん、そういうものか」


 あんなに大声を出すのは、ちょっとはずかしいなぁ。


「照れていては力は出せんぞっ!上級の魔法ほど、複雑な詠唱が必要になる。

 魔力を制御し、杖の先の一点に凝縮させるには、たゆまぬ努力と反復あるのみ!」


 後ろからバートラム講師が大声で言った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ