表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子
114/225


 引き下がろうとした手をカール教授が捕らえ、放してくれない。


「逆らうんじゃない。痛むのは、始めだけだ。ノアール」


 だけど、これはっ!


 血管の中に砂利を流し込まれているような、激痛と違和感。

 魔力の流れに逆らい、暴力的に押し込まれる粗野な異物。


『いやだ!やめろ!いやだ!』


 急に、手が離れた。


 体内を循環する魔力の中に、ごろごろと転がる小石のような塊。

 涙目になってうずくまったノアは、吐き気を押さえながら小石のような異物を砕き、細かくして魔力の流れに乗せて、流し去る。

『ねこさん』から湧き水のように流れ出す、滑らかな魔力とは大違いの粗雑さ。

 こんなの、むちゃくちゃだ・・・。


「私の魔力をほとんど受け取れなかったな。

 魔力の全量も少ない・・・これは・・・」


「魔力を使わぬローランディアで育てられたのですもの。

 無理もありませんわ」


「そうだな。よし、これから毎日、私が特訓してやろうではないか。

 すぐに、皆に追いつくとも。

 あきらめるなよ、ノアール」



 ・・・何か、変だ。


 ノアは思った。


 なんだろう。これ。


『ねこさん』との訓練は、こんなものじゃなかった。


 しかし、言葉にすることが出来ず、ノアはただうなだれる。


 いままで一生懸命続けてきたことは、何だったんだろう。




 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ