表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子
10/225



 夜明け、女官のベスが起こしに来る前に、俺は姫さんの寝台から飛び降りる。

 姫さん用の足台があるもの、簡単さ。

 え?寝床の籠?使ってるさ。皆が寝静まるまではね。

 夜中に姫さんの布団にもぐりこむと、姫さんは寝惚けながらぎゅってハグしてそのまま寝直す。

 姫さんの夜鳴きが治って楽になったって、ベスとエマが話してる。

 えっへん、俺の手柄なんだぞ。


 朝の姫さんはご機嫌が悪い。

 俺が飛びついて洗顔してやると、キャッキャッ言って機嫌が直る。

 お湯なんかで洗い直す事ないと思うんだが・・・。

 

 ミルクと蜂蜜をかけたポリッジ(おかゆ)でも、バタつきトーストでも卵でも、何でも残していいからね、姫さん。

 落ちてきたらぜーんぶかたづけてあげるから。


 両方の朝ごはんが終わると、姫さんは俺をギューしてくれて、お勉強の部屋に行ってしまう。

 俺は留守番。

 ・・・なんかしてるわけないじゃん!

 このおっきな巣を探検だーい!


 石の家は大きくて、いろんな匂いがする。

 探検する所がいっぱい。

 しかし、石の階段はでかすぎて、俺の足では届かない。

 飛び降りることは出来ても、登れないんで戻れないんだ。

 姫さんのいるのは三階の子供部屋なので、どんどん下に下がっていくことになる。


 これはトマスに抱かれて来た道だ。

 ここを曲がってこっちに行くと。

 ほら。

 中庭だ。

 おーい、母ー!ただいまー!


 

 母にひとしきりかまってもらって満足し、一緒にゆっくり日向ぼっこしてると、くたびれた様子のトマスがやって来た。

 母といる俺を見て驚いてる。


 あ?

 姫さんが鳴いてるんで俺を探し回ったって?


 仔犬の行動力を馬鹿にしちゃいけないぜ。



近くの家に養子に出した三か月の仔犬は、次の朝一人で帰ってきました。

歩いて二分くらいの距離ですが、抱いて連れて行ったので、どうして道がわかったのか不思議です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ