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華が咲く  作者: 生駒柚月
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~きり~

 流れる景色は随分と長閑なのに、彼女の心はそれとは裏腹に騒がしかった。

 道中、青年の名前を初めて聞いた。

オクヤマ アツミ。奥山 篤巳。

「なぜ我が家をお知りに?」

「えぇ、旦那様とは仕事で数回お会いした事がございまして。以前うちの扇子を選んでくださった時にご自宅へお伺いしていたのです。」

「ごめんなさい。私、全く存じあげなくて…」

ふと嘉織は思い出し、鞄から扇子を取り出した。

「では、この扇子は主人が貴方のお店から買った物だったのね。」

「はい。旦那様はとても親身に探していらっしゃいましたよ。」

「…とても綺麗な絵だわ……。」

扇子をひろげ眺める嘉織は、夫の少し違う一面にふれて何処か嬉しそうだった。


 昼前に出発して、宿町へ着いたのは夕刻近くだった。

こちらの地方は朝晩の気温が違うのか、少し山が色づき始めていて、風も何処か秋の香りがした。

「“ここは”まだ祖国の香りがするわ…」

艶やかな黒髪に風を纏わせて、赤い唇には憂いを含む。

「私に和歌の嗜みはないけれど、ここは”桐一葉…“と詠むところかしらね。」

と、嘉織は足元の葉を一枚拾い上げた。


「嘉織様!遠くにお呼び立てし申し訳ありません。」

一件の宿屋の前で紗陽子が待っていた。道が細く車が近くまで入れなかったので、嘉織と篤巳は仕方なくあるいたのだった。

無論、嘉織は日傘と小さな鞄しか持っていないが、篤巳は嘉織の大きなトランクを持たされたのだった。

「お疲れのことでしょう。どうぞ、早く中へ。」

「ありがとう。紗陽子、今はここで暮らしているの?」

 なかなか趣きのある宿屋だった。

「はい。嘉織様へのお仕えが終わった後、今の主人に気に入ってもらい嫁いできました。」

「では、紗陽子も今は幸せね。」

ふふっと笑う嘉織に対し

「いえ!嘉織様と遊んだ日々も楽しゅうございました。」

紗陽子も十年前の思い出に浸る。

久々の再会に喜びながら、通された座敷で一息つく。

「ところで、岳さんは…?」

嘉織はこの宿屋に来た一番の用事を思い出したのだった。


初めまして。作者です。

えー、四話書き上げた時点で詰んでます。

行き当たりばったりで書いているからなんですが……(´△`)


皆様この嘉織という主人公にどういう印象を持たれているでしょうか?

まだまだこれからのお話なのですが、良かったら印象などを教えていただけると嬉しいです!

では今後も「華が咲く」をよろしくお願いします。


生駒柚月

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