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~はじまり~
~はじまり~
「あぁ…これだから男は嫌い。」
齢十七のうら若き乙女がそういうのだから世も末か。
嘉織は何の気なしに今までに出会った男の事を考えていた。
一人は生まれから同じで、いつからか恋仲になっていた。それも十やそこらで。
しかし男は両親と共に異国へ旅立ち、その後一年に数回の逢瀬と文のみになった。勿論、徐々に縁は薄らいでゆき立ち消えた。
次の男はどうにもハッキリせず、恋仲にさえならなかった。
嘉織がてんで男を相手にしなかったせいもある。
三の男は今の夫……というより一緒に居るだけの男。
十六に成ったばかりの嘉織に『恋仲になってくれ』とひと月以上せがみ、年上の男の気迫に押され嘉織はゆるしたのだった。
恋仲になってしばらくしてのこと。嘉織が身重になったと知り、二人は結婚した。
……この男のことは言い出すとキリがないのでまた後々。
他にも恋仲にはならなかったが…とか、男との話には事欠かない嘉織である。
さぁここからは、彼女が本当の女として咲くまでのちょっと変ったお話を。