7話 首輪
健太と一緒に寝てから約3時間といったとこだろうか
できれば朝まで寝ていたかったが猫だから夜行性なのかどうしても起きてしまうのだ
健太と健太の両親はすやすやと眠っている
妖怪ならばすぐさま襲って食べるとこだが
自分はそんなことするつもりさらさら無い
んー
暇だし少し縁側に出てみるか
のそのそと布団を抜け出し、テトテトと歩いて縁側へ向かう
真っ暗でも案外目が効くね
猫ってなんだか便利
そんなことを考えつつ庭側の縁側についた
適当に座る
猫特有の前足を前にだして後ろ足を曲げて座る方法だ
うん
なんていうか凄く夜空が綺麗
まるで空の無数の星が宝石みたい
こんな夜景、都会っ子の自分は見たことがない
今思えばよく自分もいきなり転成して発狂したりしなかったね
そういえば自分のうちはどうなったのだろう
元々両親は事故で亡くなっている
父の保険金で自分は細々と暮らしていたのだ
んー誰が自分の家を管理するのだろうね
廃墟になるのかな?
まぁなってしまうかもね
関わりのある親戚なんてほぼいなかったし
今こんなことを考えたってしょうがないか
今を精一杯生きなきゃ
これが第二の人生...いや
初めての猫生だ
頑張って生きよう
そんなことを考えてるうちに太陽が登ってきた
もうすぐみんな起きてくるのかな
起きてくるまでここにいよう
1時間後
「ほらー健太ー起きなさーい」
「んーもうちょっと」
「ダメよ。ほら、朝ご飯作る手伝いして」
「はーい...」
健太はとても眠そうに朝ご飯を作る手伝いをしている
うむ
お手伝いは良いことだ
朝ご飯もワイワイしながらみんなで食べた
やはり魚は美味い
健太の父が仕事に行ったあと健太は外に行こうと言いだした
まぁ暇なので行くとしますか
「にゃ〜」
「よしっ!それじゃ行こうか」
人が結構多いんだね
みんな米袋や農具や野菜を持って歩いている
あと健太が言うには朝の散歩らしい
朝の散歩ってのも気持ちいいよね
「ちょっとそこの雑貨屋のとこまで行ってみようか、君の首輪を買いたいんだ」
おお
首輪を買ってくれるのか
やっぱペットには必要不可欠だよね
あと首輪で変なプレイを妄想した奴は屋上に行ってろ
「いらっしゃい、おや、健太君じゃないか今日は何のようだい?」
「やぁおばちゃん!今日は白花の首輪を見に来たんだ‼︎」
「ほぉその可愛らしい猫ちゃんが白花って名前なんだね」
「そうだよ!」
「ちょっと抱っこさせてくれないかね、猫は最近見てなかったんだよ」
「分かったー!」
自分は健太に抱え上げられておばちゃんの腕に包まれる
「にゃんにゃんー」
「可愛らしいねぇ、ほれほれ」
おばちゃんが首をさすってくる
うん
気持ちいい
「よいしょっとありがとね、久しぶりに猫を抱っこしたよ」
「べつにいつでも抱っこさせてあげるよ」
「ありがとねぇあと首輪が欲しいのかね?だったらこのオレンジ色のやつがお勧めだよ」
オレンジ色で革製の首輪があった
「いいね!それにするよ!」
「はいよ、お代は要らないよ」
「え?なんで?」
「そんな可愛らしい猫ちゃんを抱っこさせてくれただけで充分だよ」
可愛らしいって言ってるけど中身は男子高校生だけどね
「さっそくつけて見よ!」
健太がまだ下手な字で白花と首輪に名前を書いた
ありがとう
中々気に入った
「んじゃ今からみんなと遊びに行くか!」
健太がそう言って大きな広場に向かった
そこにはたくさんの子供達がいた
「みんな!僕も混ぜて!」
自分は健太が遊んでるのをうとうとしながら見つめていた
「あっ!猫だ!」
一人の少女が自分に気付くとたくさんの子供達が寄ってきた
後は分かるよな?
身体中撫でられまくった
撫でられるのがいくら気持ちいいっていってもあそこまで撫でられるとちょっと嫌になる
まあそんなことしてるうちに夕方になってしまった
「それじゃ帰ろうか」
「「「バイバイ!」」」
みんなと分かれて自分達ら帰路につく
「はー今日もたくさん遊んだね!」
「帰ったら一緒にお風呂に入ろ‼︎」
「にゃー」
次回はお風呂回です
お楽しみにー
あとお風呂回だからって期待しないでね?