32話 そして時は過ぎ
なんだかんだこの家に住み始めてから20年近くたってしまった
別に何もなかった訳でもない
妖精と初めてあったり、ジャンプ力が上がったりと色々あったのだ
でも相変わらずこの体は成長もしないし老けないみたい
それも妖怪だからなのか
まぁ老けないぶんにはいいがもうちょっと身長欲しかったなぁ
おっと、話がそれてしまった
この前周りを散策してみたら人間の里を見つけたのよ、少し寄ってみたら夜、妖怪が襲ってきて困ってたようだったから助けてあげたんだ。もちろん人間の姿でね
そして、今日お礼をしたいらしく里に来てと言われて、準備をしてる最中だ
お礼なんて要らないので拒否したんだけどどうしてもっていっててこれ以上拒否するのも変かなと思って行くことにした
ここからそう遠くもない
歩いてだと一日以上かかるけど走りながらジャンプしていくと2時間ぐらいで着くのだ
家の扉を締め、木の枝で遊んでいた妖精ちゃんに声をかけて向かった
「少し家を開けるからお留守番よろしくね♪」
妖精達はにっこり笑って頷いた
どうやら喋れないみたいだからね
季節は春
風が心地よく、外出をするのにとってもよい日だ
花が咲いていたりして気分もいいしね
しばらく走っていると、里が見えてきた
人口はさほど多くはないものの作物はたくさん取れている良い里だ
妖怪に狙われるのも当然か
里に入ると仲良く歩いてるの親子と目があった
「あ、この前助けてくれたお姉ちゃんだ!またきてくれたんだぁ!」
「こら、白花さんってお呼び」
「えー?お姉ちゃんはお姉ちゃんだもん、お母さんもお姉ちゃんって呼びなよー」
「あんたって子は...」
お姉ちゃんって呼ばれるのが慣れてなかったから最初は戸惑ったけどね
「あ、別に呼び方はなんでもいいですよ?それにしてもお久しぶりですね」
「えぇ、この前はこの里を助けてくれてありがとうございます」
「たまたま通りすがっただけなので感謝されるほどのことはしてませんよ」
「でも私達は感謝してるわ、これから村長のとこへ行くんですよね?」
「ええ、そうです。ちょうど場所を聞こうと思ってました」
「村長のとこならそこの酒屋を曲がってすぐの大きい平屋ですよ」
「分かりました、ありがとうございます」
「また、いつでも来てくださいね!何もないですけど」
「ええ!それじゃまた」
「お姉ちゃんバイバイ〜」
「バイバイ♪」
里の人達から視線を浴びながら村長のとこへ向かったちらほらと「白花さんだ!」って声が聞こえるのは気にしないでおこう
そんな有名になるほどのことはしてないんだけどなぁ
「ここかな?」
とりあえずノックしてみる
「村長さん、白花です」
すると家の中から「今行きます」と村長さんの声が聞こえてきた
「待ってましたよ白花さん、さぁどうぞ」
「お邪魔します」
「狭いですがゆっくりしてください」
村長さんはいかにも優しそうなおじいさんって感じの人だ
「あ、どうも」
お茶を出してくれた
お茶なんて久しぶりだなー
20年ぶりぐらいか
「それでですね、この前助けてくれたお礼に、粗末な物ですけどこれをどうぞ」
「わぁ、こんなにたくさん!?」
出されたのは沢山の春野菜だった
一人で多すぎるぐらいだ
ふろしき一杯に入っている
「こんなにたくさん、もらえないですよ」
「いいんですよ、この里で採れたものですし」
「私はこの5つぐらいで十分ですよ、他のは子供達に食べさせてください」
「なんとお優しいお方で...でも今年は豊作だったので大丈夫ですよ」
「は、はぁなら頂きますか」
「是非もらってください」
この量じゃしばらく春野菜生活になりそうだなぁ
ま、野菜美味しそうだしいいか!
「それとですね」
「なんですか?」
「大変言いにくいお話なのですが、」
「なんでしょう、言っみてください」
「私の友人が治めている里が妖怪の害に困っているのです、助けていただけますでしょうか?断ってもらっても構いません」
「もちろん助けさせていただきますよ、困っている人をほっとけない性分なんで」
「ありがとうございます!もちろんただでとは言いません、」
「いや私は自分が好きにやってるのでお金なんてもらえませんよ」
「すいません、そこだけは譲れませぬ」
「な、なら成功したらという形で...」
「ではそうしましょう」
私は1回家に刀を取りに行ってから向かうことにした
どうやらかなりヤバイ状態みたいで一刻を争うらしい
まず村長さんよると、15人の子供が妖怪に連れ去られたらしい
まずはその子達を助けるのが最優先だ
人助けといきますか




