26話 初めての戦闘
博猫刀が妖刀だと分かってから聖の朝練は無くなった
最初で最後の朝練だったね
そしてぞろぞろと他の住民達が起き出してきた
ナズーリンはまだぽけーとしてる
いつもどうり私は星と朝ご飯を作りいつもの朝を迎えた
今日は博猫刀を持って近くの湖に行こうと思った
都に近寄らなければ自由に行動して良いらしい
健太によれば陰陽師達が私の遺体わ放置したあとに跡形もなく消え去ったことを知り、まだ生きてると考えたらしい
陰陽師達の間で指名手配されてるのだ
だからしばらく健太とも会えない
ちょっと寂しいなぁ
聖達と朝のお経を読み終えた後に私は出掛ける準備をして寺を出た
この辺はわりかし妖怪は少ないらしい。歩いていてもそんなに妖怪は見かけないのだ
まぁ私自身妖怪なのだから襲われることは無いが、勝負を挑まれることもある
だから聖に勝負を挑まれたら逃げろと言われている
今の私は間違いなく勝てないからね
まぁ博猫刀があるから分からないけど
そしてこの前ナズーリンと一緒に魚を釣りに行った湖に行こうと思う
道は結構単純なので迷わないはずだ
道といってもほとんど獣道みたいなもので整備などされていない
季節もすっきり秋になってしまい、煩かったセミの鳴き声もすっかり無くなってしまった
「秋ですなー、栗でも食べたい気分だね」
自分以外誰も居ないのに喋りながらたらたら歩いていたら湖が見えてきた
大きさは東京ドーム一個分ぐらいの小さな湖だ
ん?
水辺におじいさんが座っているのが見える
なんでこんなとこに人間がいるんだろう
妖怪に襲われるかもしれないのに
取り敢えず声を掛けてみよう
私は小走りでおじいさんのとこまで行った
「あ、あのぉどうしました?」
「んむ?わしか、ってお主妖怪か!?」
あ、やべ
猫耳しまうの忘れた
「あぁそうゆうことですか、私は人食いじゃないので襲ったりしませんよ」
「では何故わしに話しかけたのかのぉ?」
「それはですね、人間が一人でこんなことにいるのはおかしいし、妖怪に襲われるかもしれないから心配だったからです」
「お主が妖怪ならば、わしを心配する義理もないじゃろう」
「私は人間が好きなんですよ♪」
本当は元人間だからだけど
「珍しい妖怪もいるんじゃな」
「まぁこうゆうのもいるんですよ、それよりなんでこんなとこに?」
「ちょいとこの湖で魚を釣って帰ろうと思ったじゃが、脚を捻挫してしまってのぉ」
確かにそばに釣り道具が置いてあった
「そうゆうことだったんですか、なら私が都の入口まで送りますよ」
「良いのか?ならお気持ちに甘えるが」
私はおじいさんを背負い、都に向かった
やはり身体が妖怪なので普通の人間よりは少し力はある
「こっからだと少し掛かりますね」
「すまんのぉ、迷惑を掛けてしまって」
「構いませんよ、用事も何も無いので、えぇと」
「わしは銀次じゃ、お主は?」
「銀次さんですね、私は白花です」
「白花か、良い名前じゃのぉ。べっぴんさんのお主にぴったりの名前じゃ」
「そ、そんなべっぴんさんだなんて」
私はおじいさんを背負ったまま顔をうっすらと赤くした
しばらく歩いていくと段々木々多くなってきた
「おじいさん、本当にこんな道歩いてきたの?」
「あぁそうじゃ、これでも歩くのは得意でのぉ」
「元気ですね♪」
ん?
ガサッ
ガサガサ
何か気配を感じる
何かがついてきているみたい
近くに洞穴があったので急いでそこまで走っていきおじいさんを降ろす
「どうしたんじゃ?」
「誰かがついてきているみたいだからおじいさんはここで待ってて。確認してくるから」
言い終えると私はさっきの道に戻り
声を挙げた
「誰!ついてきてるなら出てきて!」
私は刀に手を掛けた
その瞬間、洞穴の方に何かが走っていくのが見えた
私は思いっきり走って何かより速く洞穴に向かった
ビュービューと風を切り、人間だった頃より何倍もの速さで走った
洞穴の前に立ち、刀を構えた
この刀なら私にも戦えるはずだ
その瞬間茂みからさっき走って行った奴らが出てきた
その姿はまるで狼のようだが、前足が金属の刀になっていた
そう
間違いなく妖怪だ
全部で4匹、どうやらおじいさんを狙っているようだ
ここは私が守らなければ
構えていた4匹の内の1匹が私に向かって襲いかかってきた
「ウガァァァァ!!!!」
妖怪が前足を私に向けて振りおろした
だが、私の方が一歩速かった
ザシュッ
ドオォォォン
飛び掛ってきた1匹の腹を切り、
吹き飛ばした
1匹が殺られたのを見た残りの3匹は一斉に飛びかかった
カキン!
スパンッ!
何度か刀を合わせ、
2匹の首を切り落とした
残りはあと1匹
どうくるか
刀が私を誘導してくれるが実際に切っているのは私だ
油断は出来ない
奇声を発しながら飛び掛ってきたが、私は横に除け、体を真っ二つに切った
やっと全て倒した
私の息はもう荒かった
何せ初めての戦闘だったからだ
だが
まだ戦いは終わっていなかった
ボスと思われる今までのより何倍もの大きさの妖怪が「ウンボォアァ」と唸りながら森から出てきた
私は刀に付いた血を振り落とし、口を開いた
「お前が死を望むならかかってこい!」
戦いになると本気モードになる白花さんです




