19話 生存報告
命連寺のみなさんにお世話になってから数週間の時が過ぎた
この数日で色々あった
たとえば雲山が私みたいな年頃の女の子に興味?があるということ
ちょっと雲山のイメージが崩壊した
それってロリコンってやつだった気が...
あとナズーリンが連れている鼠が私を思いっきり警戒しているということ
まぁ猫だから仕方ないか
でも夜中に耳をかじられて絶叫したのは忘れられない
そして季節も秋に差し掛かろうとしていた
この寺に来たのが九月の後半ぐらいだったからね
カレンダーてもんはないけど聖に聞いたら教えてくれた
私がこの時代に転生したのが八月の始めぐらいだったんだね
てか私まだ一歳にもなってない赤ん坊じゃん
妖怪は色々と人間と違うのね
そろそろ健太一家に生存報告しないとダメだね
墓が作られてたらマズイし
よし
猫になって会いに行こう
気をつけていけば万が一陰陽師に会ってもバレないでしょ
今は午前中だから京までの地図もらえばすぐ着くかな
聖に地図あるか聞いてみるか
設けてもらった自室の扉を開けて本殿に向かった
今の時間なら本殿に居るはずだ
まぁ自室と言っても布団と服と健太家族から貰った小物しかないけど
「聖ー?ちょっといい?」
聖は手に持っていた書物を机に置き答えた
「なんでしょう?」
「京に用事があって行きたいのだけれど地図みたいのあれば貸してくれる?」
「ええ、ありますよ。気をつけてくださいね、貴女は陰陽師に存在が発覚してはいけないのですから」
「うん、常に警戒しなから行くね」
確かに陰陽師に会ったら殺されるでは済まないだろう
何されるか分ったもんじゃない
聖から地図を貰い寺を出た
寅丸が付いて行くと言ってきたが彼女に迷惑をかけるのは嫌なので一人で行く
道中は林だが少し道が整備されていて歩きやすかった
人間に遭遇すると面倒なので人化して向かうことにした
外見は髪が白い女にしか見えないだろう
まぁ髪が白い時点で怪しまれるだろうが
「んー秋に入って来たから涼しくていいねー」
なーんて独り言言いながら歩くこと30分
すぐそばの茂みからガサガサッと音がした
動物かんかだろうと思い通り過ぎようとしたその時
「人間の少女が一人で歩いてるなんて食べられたいのかい?」
突然茂みの中から小さい角が一本生えた妖怪の女がいた
襲われると面倒なので妖怪と言っておこう
流石に同族は食わないだろう
「あ、あの、私人間じゃ「まぁ食べようか」
って話聞けぇ!
もういいや猫耳出そう
ニョキ
猫耳生えました
「うわっその耳あんた妖怪だったのか!」
「そうだよ、猫妖怪だから」
「いきなり食べようとしてすまんかったな」
「別にいいよ、急いでるからじゃあね」
「おう」
なんか初めて妖怪らしい妖怪に会った気がした
さぁて京までもうすぐだ
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「おー着いたー」
かれこれ一時間ぐらいかな
正門から入ると用とか聞かれるので猫化して影からこっそり入ろう
さてさてこの京に入れたがまず健太の家を探さないとな
お、このお店見覚えがあるぞ
なんとなくこっちのほうかな
こうしてフラフラしながら健太の家を探してあっけなく見つかった
あぁなんか凄い懐かしい気がする
とりあえず中に入って健太達を見つけなければ
家の外には塀があるな、
確か裏に小さい穴が開いた塀があったからそこから入ろう
家をぐるっと回って穴から入った
家の中に入って健太たちを探したが誰もいない
出かけているのかな
少し待ってよう
今の姿は猫なので縁側で丸まってゆっくりしてるか
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ん?玄関の方から音がした
帰って来たのかな
玄関に行ってみよう




