17話 妖怪寺
side ? 人里離れた寺
「はぁ、また宝塔を無くしてナズーリンに探させているのですね。星も無くさないように気をつけたらどうです?」
「すいません、気をつけてはいるのですが...」
「では、確認していくことですね」
「分りました」
ガラッ!
突然寺の扉が勢いよく開いた
「主人!怪我人を見つけた!早く治療しないと!!」
鼠妖怪が猫耳がついた少女を背負っていた
血がポタポタと垂れている
「そうしたのですか?ナズー」
「宝塔を見つけた帰り道に倒れていたのだ、刀かなんかで刺されたみたいだ」
「これは、酷い傷ですね...聖様の法力で治療しましょう、聖様!治療を!!」
「分りました、貴女達は他の部屋へ、治療に専念します」
聖は白花の服を脱がし、傷を見た
「まだ息はかろうじてありますが、思ったより傷が酷いですね。霊力も感じられますし、陰陽師かなにかの刀で刺されたのでしょうか...」
「思ったより治療に時間がかかりそうですね」
聖は白花の容態を見ると、仏念を唱え始め、治療を始めた
3時間後
「ナズーリン、星、治療が終わりました。しばらく寝かせてればじきに目を覚ますでしょう」
「さすが、聖様ですね」
「主人、この妖怪どうする?」
「そうですね、起きたら事情を聞いてみましょう」
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うっうぅ...こっ、ここは?
目を覚ましたら木製の天井が見えた
確か、陰陽師に刺されて...そのあとは覚えてないや
でもあの刺され方で生きていられたのか?
いや、ありえない
だとしたらここは...
「死後の世界?」
「違うよ、ここは命蓮寺」
「ふぇ!君だれ!?」
「私はナズーリン、星の部下だよ。君を助けたのは私」
「あっ、ありがとうございました!私は白花です」
この人、鼠の妖怪なのかな?鼠の耳がついてるし
あと星って誰だ?
「おお、起きましたか」
「あっ、貴女は」
「私は寅丸星、この寺の毘沙門天の代理です」
毘沙門天ってあの七福神の一員の!?
とんでもないとこで目が覚めた
「ご紹介遅れました、私はここの寺の僧侶、聖白蓮です」
「はぁ...お寺、ですか」
「ああ、怖がらなくても大丈夫ですよ。この寺は妖怪も人間も平等だと思っていて、決して退治したりしませんから」
「よ、よかった...」
「その反応を見ると、その怪我も訳ありのようですね」
「そうです、実は...」
私は人里に住んでいたことや、陰陽師に切られたことを聖さんに話した
「なら、この命連寺に住んだらどうです?里には戻れそうにないですし」
「あ、でも」
「どこか帰るとこが?」
「無いです...」
「なら遠慮せずに、歓迎しますよ?」
「ありがとうございます!住まわせてください」
「ええ、もちろんいいですよ。ナズーリン、星、新しい同居者です。あと白花、もう二人同居人がいるのですが」
「かまいませんけど誰か?」
「雲居一輪と雲山という妖怪です、きっと仲良くなれますよ。今お使いに行ってるのでもうすぐ帰ってくると思いますが」
「それは楽しみですね!」
どうやら新しい住処はここ、命連寺のようだ
健太達にはあとで伝えにいかないと
里には戻れなさそうだしね
それにしても、聖さん美人だったなぁ
やったね!白花ちゃん!家族が増えたよ!!




