15話 生と死
side陰陽師
よし、やっとあのガキと妖怪の住処を掴んだな
あいつの家に仲間を引き連れて行って脅せば中から出てくるはずだ
どうやらあのガキが好きみたいだからな
公開処刑としようか...
これは見物だぞ。フハハハハハ
side白花
「今日も暑いですなー」
「そーだねー」
今私たちは縁側に座っている
桶に水を張って足水風呂をしているのだ
「あっそうだ」
「どしたの?健太」
「ちょっと待ってて」
「う、うん」
なんだろう、健太が部屋に入って行った
あ、帰ってきた
あれ?手を後ろに回してる
私が不思議そうな顔をしていると健太が何かを差し出してきた
「はい、白花」
「え?どしたの?この髪飾り」
健太は黄緑色の髪飾りを持っていた
「白花のために秘密で作ってたんだよ」
「私のためにこんな凄い髪飾り作ってくれたの!?」
「そうだよ」
その髪飾りはまだ緑色のどんぐりや、貝殻で作ってあった
「ありがとー!こんな凄いの作った人初めて見たよ!!」
「そんな、凄くないよ売ってる方が凄いよ」
「ううん!たとえそうでも私はすっごくうれしいよ♪」
私は思わず濡れた足のまま健太に抱きついた
(ほ、ほもとかじゃないからな!)
「うわぁ!」
私は健太の耳元で言った
「ありがと♪」
そのあと健太は顔真っ赤にしてたけど気にしない気にしない
そして健太といつもより賑やかに昼ごはんを食べたとさ
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ドドン!
誰かが玄関の扉を叩く
「おい貴様ら!妖怪をかくまってるそうだな、出てこい!」
「け、健太!家がバレて陰陽師が来た!」
「白花は隠れてて!!」
「う、うん」
するとお父さんが私たちの部屋に来た
「健太、白花、いつかこうなると思っていた。安心しろ、お父さんが守るから」
お母さんも来た
「ええ、お父さんが守ってくれるから心配ないわ」
「二人はそこで隠れてなさい」
ガラガラ
お父さんが扉を開けた
外には何十人もの陰陽師が居た
「なんだ貴様ら、我の家に妖なんぞ居ない」
「嘘をつくな!ここに猫妖怪が居ることは分ってるんだ!」
「くっ...」
父は焦っていた
この人数相手に抵抗しても勝ち目は無いのだ
「貴様がどかなければ斬ってまで妖怪を探す、いや、連れ出してこなければ家族全員皆殺しだ」
「ならその前に我が貴様らの相手をしよう。白花は差し出さぬ」
すると刀を構えた
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外で陰陽師達が言ってることは私はハッキリ聞こえた
もうこの家族に迷惑を掛けられない
いさぎよく私が出ていけばみんな助かるのだから
私の命もここまでだったってことだ
幸せだった
「健太、お母さん、私行くね」
私は健太がくれた髪飾りと首輪を胸に入れて外へ飛び出す
「「白花!待って!」」
母と健太は白花を追いかけて外へ出て行った
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「よかろう、貴様を殺して妖怪を殺すだけだ、家族もな」
陰陽師達はいっせいに刀を父に向ける
その時だった
「待って!私はここにいる!」
「白花!出てくるなと言っただろう!!」
「もう健太やお父さんやお母さんに迷惑はかけられない」
「迷惑なんかないぞ!」
私は目を黙って首を振る
「妖怪が一緒に暮らすのは無理があったんだ、陰陽師達が言ってることもあってる。妖怪の私が殺されて当然なんだ」
父は黙りこんでいる
「よく妖怪の身分にして理解したな、さぁこっちにきていさぎよく殺されろ」
私は陰陽師の前に立った
「妖怪、最後に言い残すことはあるか」
「みんな、いままでありがとう幸せだったよ。あと健太、大好きって言ってくれてとっても嬉しかった!」
私は笑顔で言った
健太が走ってこっちにくる
「ダメ!こないで健太!」
「だ、だって!」
健太はそのとき陰陽師に捕えられた
そして
私に妖力弾を撃ち込んだ陰陽師が刀を私のお腹に刺した
「うっ、ゲホッ...」
私は血を吐いて地面に倒れこんだ
着物を真っ赤に染め、地面に血池が出来た
「「「白花ぁぁぁぁ!!!!!!!」」」
みんなが私を呼んでいるが
だんだんと意識が薄くなっていく
そして私は静かに目を閉じかすかな声で言った
「幸せでした」
まだ続きます




