10話 家族
父様が帰ってきた
こちらにくる足音が聞こえる
「ただいまー帰ったぞ、...ん?なんだその猫の耳が付いた女の子は。ちょっとまて、そいつは妖怪じゃないか!」
「そうだけど違うのよあなた、この娘は白花よ」
「そんなバカな、白花はただの猫だぞ!」
「すいません、秘密にしてて私はただの猫ではなく、妖怪なんです」
「なら一つ質問する。絶対に私達を襲わないと約束するか?」
「はい。絶対にそんなことしません」
「あなた、そろそろその辺にしてあげて白花が可哀想よ」
「そうだよ、お父さん白花は絶対に僕達に危害を加えたりなんかしない」
「健太や母さんが言うなら信じられるか...」
「ありがとうございます、秘密にしててすいませんでした」
「いいんだよ、誰でも言いたくないこともあるしな。それとなんで妖怪なのにこんな家に飼われようと思ったんだ?」
「実は私は産まれたばかりの妖怪でして、なにぶん力がないほぼないので自分一人で生活するのは無理なので飼ってもらうことにしました」
「ふむ」
険しい顔をしている
やっぱ家族としてなんて妖怪は迎えられないか・・・
「図々しいですよね、ダメなら私は出て行きます」
「いや、その必要は無い」
「え?」
「白花は家族だ、妖怪でも猫でも人間でも変わらない」
「本当ですか!ありがとうございます‼︎」
「あとそんな堅苦しい敬語はいらん、あと俺のことはお父さんでいいぞ」
「分かった!お父さん!」
こうして正式に私はこの家の娘となった
え?
なんで、一人称が私かって?
流石に女の子の外見で俺なんて言えない
「さぁ飯を食べよう母さん」
「分かりましたよ」
〜夕食〜
今日の夜ご飯は川魚の塩焼きと漬物と味噌汁と白米という至ってシンプルな夕食だ
「おいしー!やっぱ魚は最高!」
「そうかそうかそれは良かった」
「白花は僕のお姉ちゃんになるのかなー?」
「そうねぇ白花は生まれて間もないそうだけど、外見的には12〜13才だものね。外ではお姉ちゃんのほうがいいかもね」
「そうだね、よろしく白花お姉ちゃん!」
「ゲホッゲホッ、お姉ちゃん⁉︎」
「そうだよ!白花お姉ちゃん!」
まさかお姉ちゃんって呼ばれる日がくるなんて思いもしなかった
でも女の子だからいつか子供も出来るのかなぁ
お母さんと呼ばれる日も来るのかな
てか子供って男の人とあんなことして出来るものじゃん、今の私には到底無理な話だ
「なんか恥ずかしいよぉ...」
顔が赤くなる
「あはは、外だけだから大丈夫だよ!」
こうして夜が老けて行くのであった
こんな楽しい生活がずっと続くといいな
「ふあぁ〜僕、眠くなってきちゃった〜」
「私も〜」
今日は沢山遊んだしね
「ほら、布団引いたわよお休み」
「「お休み〜」」
「あら?白花は健太と同じ布団で寝るの?」
「え?いつもそうだったよ?」
「あの時は貴方が猫の時だったからでしょう」
「んじゃ猫に戻るー」
「まぁどっちでもいいわお休みなさい」
明かりが消される
「えへへー健太っていつでもあったかいね」
そう、私はいつもどうり健太の布団で一緒に寝てる
こいつホモじゃね?とか思う人もいるかも知れんが別にそんな感覚ないし一緒に
寝るのが猫の時の癖なんだし
第一今は女の子だから問題無い
「(白花が近いよ...すっごくいい匂いがする)」
「(この寝心地最高)」
「猫の方が寝やすくないの?白花」
「ん?別にこのままでも平気だよ?」
「うっうんそれならいいよ」
ちなみに今の白花と健太の体制は
健太が横を向いて寝ていて
白花は健太に後ろから抱きつくような感じで寝ている
「(さっきから白花の胸がちょこちょこと背中に当たってる...///)」
このあと白花は爆睡していたが
健太は緊張して中々寝れなかったそうな
健太め羨ましいじゃないか




