初めての大会
最後までお楽しみ下さい☆
「暑い……」
夏休みの部活は地獄だ。
市原里帆は自宅に戻るとクーラーのガンガンにきいた部屋に入りソファーに倒れこんだ。
あたしは家近いからいいけど、みんな大変だろうなー。
里帆の家は学校から10分ほどで着くのだが、他のみんなは30分近くかかる。
明日も部活か…。いつの間にか里帆は眠りについてしまった。
ーー翌日ーー
「ちょっとみんな集合してー!」
と顧問の武藤 未來奈[むとう みきな]通称ミッキーナが声をかけた。
「実は来月の第一土曜日に大会があるの。それで2年生はもちろんでるけど
今回1年生のチームもエントリーさせてみようと思って!」
「えっ!」
私たち1年生は驚きの声をあげた。
「でも8人いるから全員出られるわけじゃないの。この間の部内リーグの
上位を出そうと思ってるんだけど、いいわね?」
「はいっ」
こうして部内リーグ6位だった私はギリギリ大会に出られることになった。
大会に出場するのは私の他に彩菜、いろは、由紗、郁愛、智華の計6人。
翌日からは先輩に大会に向けて新しい技を色々教えてもらった。
恐らくすぐ負けてしまうだろう、とわかっていても私は初試合が待ち遠しかった。
ーー大会当日ーー
私が待ち合わせ場所に着くと既に私以外の1年生は揃っていた。
「おはよー」
と話しかけてきたいろはの目にはクマが…。
「もしかして寝れなかった系?」
「イエス」
と言ういろはの隣では彩菜がお腹を抑えてうずくまっている。
「大丈夫⁇」
「うん…あたし緊張すると胃にくる派なんだよね。でも薬持ってきたから平気だよ」
とVサインをした。
その後電車に乗り隣町の上松市へ向かった。
会場に着くと既に幾つかの学校集まっていた。
「みんな大変~!」
とミッキーナが駆け寄ってきた。
「1年生ダブルスってやったことないよね?今回ダブルス一組ださなきゃいけないんだけど…
もう時間ないからやりたい人、手挙げて!」
ダブルスかぁ。やってみようかな?
「はい」
「市原!やってくれる?」
「あたしもやりたい!」
と手をあげたのは郁愛だった。
「じゃエントリーしとくわね」
とミッキーナは走ってった。
「よろしくね郁愛」
「こちらこそ」
「でもさあ…」
といろはが口を開いた。
「そんなに身長差あって平気なの?」
私もそれは思っていた。
私の身長は165cmに対し郁愛は148cm。
17cmもの身長差。
「まあこの試合最初から勝てると思ってないからいいよ」
とみんな和解した。
「気をつけ、礼!」
彩菜の声で試合が始まった。
一番は智華。だが相手が2年生のチームだったため、あっさり負けてしまった。
二番は彩菜。さすが部内リーグ1位だ。1、2セットを取られるも後半巻き返してフルセットの末
2年を相手に見事勝利した。
そして、とうとう私の番がきた。
シングルスとは少し違うダブルスのルールにとまどってしまい1セット目はボロ負け。
たが、2セット目はネットにかかったりなどのセコいプレーが続き3セット目と連取した。
しかし4セット目は気が緩んでしまい取られてしまった。
こうしてフルセットに持ち込まれた。
相手のサーブミスが続き最後は私のスマッシュで決まった。
見事勝利を手にした。
この後の由紗、いろはは負けてしまったため、チームでは勝利出来なったが
私は改めて卓球の楽しさを実感した。
読んで頂きありがとうございました★
登場人物プロフ↓
市原里帆
10月7日生まれ O型
冷静で大人っぽい あだ名→いっちー