無知
この物語はある少年が世界の真理に触れるまでの物語
「さて、俺ぁあんたの部屋の準備をする。いいか、あんたは今からあそこにある的に限界まで攻撃を当て続けるんだ。なんでもいい、打撃でもスキルでもいい。」オルフェンの言う通り僕は攻撃を当て続けた。段々と自分の持つ力を理解してきた。「どうだ、部屋の準備はできたが何か気づくものはあったか?」「僕は空っぽなんだ。僕の能力を開花させるためには、多分モンスターがいる。僕の能力は多分死んで間もない生物の魂を吸収することでその生物の固有能力を使えるようになる。」「あんた、どうやって知ったんだ。」「教えてくれた。僕の魔眼が。」「魔眼だって?魔眼ってそりゃユニークモンスターの中でも珍しいもんだぞ、なんで持ってるんだ。」一旦攻撃をやめて、正直に話した。「なるほど、、、つまりあんたは過去の地球を見て、謎の声に魔眼を与えらえた。おそらく契約状態はそいつとの契約だ。ということなんだな。」「うん」「かれこれ討伐者歴30年だが、そんな夢を見たってやつは初めてだ。これはただの予想だが、あんたは何か重要な歯車なのかもしれない。20年間停滞しているこの世界を廻す歯車なのかもしないな。」「オルフェンさん、なんとかしてモンスターの死体を手に入れたりできない?断片デモいい。」「それなら協会の解体部門に行けばなんぼでもあるさ。俺の権限で入ろう。」そうしてなんとか攻撃手段を手に入れれそうだ。
「どうだ?何かできそうか?」解体部門についた瞬間、魔眼が反応した。今にも暴れそうで、大変だ。一度ニューラシア周辺で1番狩ることの多いリヴァイアサンウルフの死体に触れてみると、魔眼が何かを飲み込んだ。おそらく魂のはずだ。その瞬間、スキルを手に入れた。頭の中に電気が走ったように知識が流れ込んできた。まるでゲームのように。<スキル取得:プラチナクロー>その言葉が頭に流れ込んできた。「どうだ?」「多分能力を手に入れたと思う。」「よし一回戻って的に撃ってみよう。」そうして家に戻ってきた。「よし、撃ってみろ」
ふーっ、、、いくぞ。「プラチナクロー!」リヴァイアサンウルフが使ってくる技だったが、威力がおかしい。機械を使わなければ作ることも壊すこともできない的を傷つけた。技を放った後、放った右手にリヴァイアサンウルフのような爪がついていた。かなり鋭利だが、見ている感じ魔力で構成されているようだ。消えろと思ったら消えた。おそらく消えろと思わなければしばらくはあるのだろう。「あんた十分に強いじゃねえか!」褒められた。嬉しい。「っ!」急に体が重くなった。「小童!」倒れた。目がクラクラする。魔眼が黒く染まってる。右目が何も見えない。「おい!しっかりしろ!小童!!!」
夢だ。また変な夢だ。でも海じゃない。これは、、、、監獄?
「こんにちは、いや久しぶりのほうが正しいかな?ミラ少年。」誰?聞いたことがある声だ。あれだ、最初の夢で聞こえた声だ。僕に魔眼を与えた声。
「そうだ。魔眼を与えた者だ。改めて私の自己紹介をしよう。私の名前は「△Ωφギ」。おっと、まだ真名が聞こえないか。まあ良い、私のことは傍観者と呼ぶがいい。ずっと君の動きを見ていた。ようやく君が能力を使用したと思ったら威力を最大にして使ったものだから私が呼んだのだ。力の使い方を軽く説明するためにね。」何も言えない。口がない。あるのは意識だけみたいだ。「そうだね、今は口があったり四肢があるようなレベルではない。大丈夫だ、君が強くなればいずれ体を保てるようになるだろう。では始めよう、レッスン0。まず、君の本当のジョブは刈り取る者ではない。君のジョブはユニークジョブ「運命定神」だ。」なんだそれ、神?聞いたことがないしユニークジョブとか聞いたこともない。でも、不思議と信じてしまう。最初から理解していたような感じだ。「そりゃそうじゃないか、ミラ少年。君が全宇宙で初めてのユニークジョブなんだからね。あの討伐者協会のステータス表示能力は私ではなく∮⚪︎兜ミの管轄だから、表示できないのだよ。あの黒いステータスはモンスターを生み出したΩξΣ≠Δ◆‡の影響だね。」知らない単語が次々に出てくる。いつか会えるのだろうか。「∮⚪︎兜ミには会えるだろうけれど、ΩξΣ≠Δ◆‡には会えないだろうね。あいつは今この時空にいないからね。」、、、時空?もうわからなくなってきたな。「そうみたいだね。では、能力の使い方を教えよう。少しお喋りがすぎたね。」うん。お願い。「まず、君に与えた魔眼グリモアは君の解釈で概ね合っているが、もう少し詳細を教えよう。」だって頭に流れ込んできた使い方はそれしかなかったもん。「それはグリモアが悪いね。まあいい、グリモアは死亡して5時間以内の生物の魂を魔眼に宿し、その魂の持った力のうちどれかを魔眼を所持している生物の魂に刻み込む。そしてその力は魔力の入れ具合で馬力が変わる。君の場合、1でいいのに8000の魔力を入れて使ったせいでとんでもない威力が出た。ちなみにグリモアは所持者の使う能力を大体150%ぐらい強くする能力がついてる。それもあってあんな威力になったんだね。」でもそれだと僕の魔力値を全部使ってないからおかしくないか。「うんそれも説明しようか。それぞれ生物には魔力もハーライトも出力できる量に限りがある。君の場合は8000。平均的な人類は大体500ぐらいだね。」傍観者は?「私かい?多分170000ぐらいじゃないかな」えぇ、、、「大体それぐらいかな。しっかり調節することだね。確かに私は傍観者でずっと君のことを見ているが、用事があるのでここらで一旦お開きにしよう。あぁ、この空間のことは私の生み出した心象世界の拡張で名前はロジャルームだ。」わかった。そして僕は夢から覚めた。時刻は4:21、深夜だ。色々な事を知った、面白い。使いこなしてやる。なんとしても。 そして、僕は眠る。
今回の夢は中々私に近づいてこれたね。これまで流れる意識の海から光を見つめるぐらいしかできなかったあの少年がね。次なる試練はもう訪れるよ少年、、、




