紫風船
目を覚ましたユーリはいつものように起き上がった。すると一瞬体に慣れ親しんだ鋭い痛みが走った。また。あの耐えきれない苦痛がよみがえってきた。
朝食を食べに来ないユーリを心配して、お母さんが様子を見に来た。部屋の中からユーリの泣き声が聞こえて、あわててドアを開けた。ユーリは泣きじゃくっていた。キティも心配そうにユーリの顔から涙をぬぐい取っていた。
「ユーリ、痛みがあったのね」お母さんはユーリを柔らかく抱きしめ尋ねた。ユーリがうなずくと、「大丈夫よ。ユーリ」と慰めの言葉をかけた。ただそれはユーリにもお母さんにもむなしく響いた。「お薬を飲んだほうがいいわ。取ってくるわ」とお母さんが言うと、ユーリは「いい、自分で行く」と言った。さっきの痛みは思い違いじゃないかと考えたかったし、痛みが少しの間は動いたほうがいいと医者から言われていたからだった。
「そうね、そうしましょう。食事もできてるわ」ゆっくりと確かめるように立ち上がるユーリをお母さんは見つめていた。キティがユーリを心配するようにまとわりついているので、ユーリはキティを腕で抱きかかえた。柔らかくいい匂いのキティはユーリの痛む心を慰めた。
リビングへ行くと、お父さんが新聞を読んでいた。お母さんが付き添ってきたユーリの様子を見て、何があったのかすぐに理解した。そして画面を閉じて立ち上がった。お母さんは、お父さんの様子を見て、食事の支度のためキッチンへ向かった。
「痛む?」とお父さんは聞いた。「ほんの少しだけだった」とユーリは肘をお父さんに向けた。乾いた血が一筋の線を描いていた。
「薬を飲むと、先に延ばせるよ」ユーリがテーブルにつくのを見て、お父さんは自分もいつもの席に腰かけた。
「うん」ユーリは腕に抱えたキティを床に下した。キティはユーリの足元に座った。
お母さんが、朝食を準備して戻ってきた。お父さんはお母さんからお皿を受け取ってテーブルに並べた。ユーリのためにあわてて用意したと思われるお皿をお父さんはユーリの目の前に置いた。ユーリの好きな魚料理だったので、ひどく落ち込んでいたユーリは少し心が和んだ。ユーリはお箸を手に取って、お母さんの準備してくれた魚を食べ始めた。お母さんも一緒にテーブルについて、三人は何事もないかのように食事をした。辛いことがあるとき、一緒にご飯を食べるのは気分を良くするもんなんだなと、ユーリは思った。
「今日は学校は休みにして、一緒に過ごそう」とお父さんが言った。
「見てない映画があるだろう。それを見よう」
「いいわね。なかなか時間って作れないもの」
お母さんは、部屋で泣きじゃくっていたユーリが心配だったので喜んで賛成した。
食事の後、お母さんのいれてくれたお茶を飲みながら、三人は並んで映画を見ていた。幾分か話が進んだあたりで、呼び鈴が鳴った。
「俺が出る」と言ってお父さんが席を立った。少ししてお父さんが「お母さん、ちょっと来てくれないか」とお母さんを呼びに来た。
「どうしたの。何か」とお母さんは言って、席を立った。
二人とも玄関へ行き、ユーリは一人で映画を見ていた。ただ一人だと何となくつまらないし、病気のことを思い出して不安になるので、早く二人が帰ってこないかなと考えていた。
するとお母さんの大きな声が聞こえた。何?ユーリは驚いた。お母さんが大きな声を出すことなんてほとんどないから。ユーリも席を立って、玄関へ行った。玄関には、いつも呪を唱えてくれる人がいた。一瞬苦痛を思い出して、ユーリの身体がこわばった。だがすぐに今日は呪を唱えるわけじゃないと思い出した。お母さんとお父さんは、すぐユーリに気が付いた。
「どうしたの?どうしたんですか?」とユーリは呪術師に尋ねた。呪術師は、「君の治療を続けることができないと伝えに来たんだ」と言った。
「治療を続けられない?」ユーリはぼんやり繰り返した。
「やめてください」お母さんが金切り声で叫んだ。
「そんなことをしたら、この子は」とユーリを抱き寄せた。
「どうして続けられないのか理由を教えてくれないか」お父さんも唸るように言った。
「理由は言えません。続けられないんです。」
「この子がどうなってもいいと言うんですか」
呪術師は黙っていた。
「この間、私が聞いたからですか?」とユーリが尋ねた。急に治療をやめるという理由はユーリにはそれしか思いつかなかった。
「いや、違う」呪術師はあわてたように顔を上げた。「あれは関係ない」
「治療を続けないと、私は……」
「お願いします。この子はもう他ではどうにもならないんです。どうかお願いします。治療を続けて下さい」お母さんは、ユーリの涙を見て、呪術師に縋り付いた。縋り付かれた呪術師は、お母さんの手を振りほどかなかった。お母さんとお父さんはかわるがわる何とか呪術師を翻意させようとした。脅してみたり、治療費を倍支払うと言ったりもした。しかし呪術師は、続けられないの一点張りだった。
お母さんは手で顔を覆って泣きじゃくった。お父さんは泣かなかったが、今にも泣きだしそうな顔をしていた。
「あの、じゃ」と言って呪術師が立ち去ろうと背を向けた時、ユーリは「私は死ぬんですか」と尋ねた。呪術師ははっと立ち止まり、ユーリを振り返った。そして何かを言おうとしたように口を軽く開いたが、結局何も言わなかった。そしてそのまま立ち去った。
お母さんの泣き声がもっと大きくなった。お父さんもその場に膝から崩れ落ちた。ユーリはどうしたらいいのかわからなかった。足元にキティがいたので、キティを抱きしめて部屋に戻った。一瞬身体に走った痛みを思い出したが、それ以上の恐怖がユーリを包んだ。温かいキティの身体を抱きしめても、キティがユーリを慰めようとしてユーリの頬を舐めても、ユーリの冷えた身体は暖かくならなかった。
次のネットワークの後、ユージインさんと香山さんと先生と桔平は集まり話し合った。ユージインさんも、噂がどこから来てどこへ行くかということを追跡したと言った。香山さんの予想通り、ユージインさんは香山さんよりも噂がどこへ行くのか追っていくことができたと話した。
「主にこの噂に飛びつくのは、人だね」ユージインさんは言った。
「好奇心から?」香山さんは尋ねた。
「ほとんどは」
「そうじゃないのも?」今度は桔平が尋ねた。
「もちろん、治夫みたいに警戒している人もいるけど、お金がらみなんじゃないか。桔平君の患者の組織が利用されているみたいに」
「どういうこと」香山さんがコーヒーを口に運びながら聞いた。
「自分の患者の組織を研究所に送っているだろう。それがお金になるのを喜ぶ術者は多いってこと」
「ねえ、それって許せないけど、でもそれなら、お金がらみでかどうかはわからないけど、興味を持つ人は何か知っていると考えたほうがいいということかしら」
「そういうことになるな」先生は相変わらずむっつり言った。
「じゃ、何か知ってる人は多いのね。」
「面倒なことだな」先生はつぶやいた。桔平にはそれがはっきり聞こえた。思わず先生を罵倒しようとしたら、ユージインさんがその気配を察して「まあ、まあ、それはわかるけど、言いっこなしじゃないか。もともとは治夫の引き受けた患者だろう」と穏やかに言った。先生は顔を赤らめて、ユージインさんを睨みつけた。
桔平はユージインさんに心の中で感謝して「人じゃない人とどうやって話をするんですか」と聞いた。
「人じゃなくても同じ言葉を話すから、気にしなくていいよ。それに向こうは僕たちが気づいてるって思ってないし」
「どうやって聞き出すんだ」先生は気を取り直して話題に加わってきた。
「そんなの、患者が困っているから別の呪はないかと聞けばいいんじゃないかしら。そのための場所なんだし」
「そうだね。シンプルにそれがいいんじゃないかな」
そこで、主に先生と桔平が患者のことについて相談することにした。その時に、絶対人じゃないとわかっていることは気づかれないことが大事だとユージインさんが言った。
「そんなことどうやって気を付けるんですか」
「それはやってみないと。僕は主に相手の中に入り込むから、気づかれる心配を常にしているよね。リカちゃんはどう?」とユージインさんが香山さんに話を向けた。
「私は、どうだろう。ユージインとは違うかな。電子情報にしか入り込めないから、ネットワークの中だけ、しかも飛び交ってる電子情報だけだから。その人に気付かれることを心配するというより、私が電子情報に入り込んでいるバグのようなもので、だからウイルスがネットワークに入り込んでるかどうかばれないか気にしてるって感じ」
「僕で試してみたら」とユージインさんが言ったと思うと同時に、急にいろんな声が桔平に聞こえ始めた。いろんな声がすさまじく流れ込んできて、一瞬桔平は目がくらんで叫びだしそうになったが、なんとかこらえた。
人の言葉じゃない声もその濁流の中に交じっていて、これはユージインさんだけの声じゃないんだと思った。思わず桔平がユージインさんの顔を見ると、ユージインさんは桔平をずっとじっと見つめていたことに気付いた。
「これは」
「そう、ぼくの声でもあるし、ほかの人の声でもある。君が聞こえてることは、君の様子からわかる。ということは君が何も様子を変えなければ、外からはわからないんじゃないか」
「それはどうかな。ユージインみたいに入り込むタイプには気づかれるだろう。急に変わるから」と先生が用心深げに言った。
「そうね。慎重には慎重を期したほうがいいわ。まずは治夫と私がやったほうがいいわ」
先生はため息をついて、「そうだな」と言った。
「決まり。治夫とリカちゃんが試している間、桔平君が僕やリカちゃんで練習してみるんだね」
それから、桔平はネットワークのある日はそこへ行き、慣れることから始めた。そしてユージインさんや香山さんから自分を隠す練習も始めた。自分を隠すことはなかなか難しかった。ある時、先生は桔平にコツを教えた。
「自分が自分だということを忘れるんだ」
「なんですか。それ」と桔平が尋ねると、先生はにやりと笑って「そのままさ」と言った。
「人はいつも自分にこだわるだろう。その逆なんだ。自分、自分て思わないということだ。禅宗は知っているか?」
「いいえ、それって宗教ですよね」
「宗教、でもあるかな。読んでみて試してみるがいい。ただ私に禅宗について聞くなよ。わかりっこないから」先生はそれだけ言って、ネットワークに入っていった。先生はこれまでのところ、ネットワークでの収穫はないとのことだった。
桔平もネットワークにいることには慣れてきて、気持ち悪さはなくなった。ただ人だか何だかわからないものが漂っていて、それと話をするという世界にはなかなか慣れなかった。ただ桔平が心配していたほど、声が聞こえてどうしようもないということがないことには安心した。
ネットワークで誰と話すでもなく、その場に漂っていると、ある塊がふわふわと近寄ってきた。桔平は用心して、先生から教わったことを実践して、自分が自分じゃないことを強く意識した。
「ねえ、そんな風にすると、あなたが誰かわからないじゃない」少女の声だった。桔平は驚いた。
「僕に話しかけてるのか」
「そうよ」透けた紫のような塊が言った。
「僕のことを知りたいのか」
「何を言ってるの?」
「僕が誰かわからなくなるって」
「あなたは誰なの」
「誰って、名前を聞いてるのか」
「名前って何」透けた紫の風船は、まるで目をぱちぱちするかのように、ぴかぴか光った。
「名前って、自分はだれかっていうことを表す、えーとラベルみたいなもの」
「ラベルって?」と風船はまた尋ねた。
桔平は、こんな調子の紫風船と話を続けていくことがだんだん面倒くさくなってきた。さらに何度かこういうやり取りを繰り返して、全然かみ合わない話にうんざりして、「もう帰るから」とだけ言って、すぐネットワークを抜け出した。紫風船は後ろから何か言っていたが、桔平は気にしなかった。ネットワークを出ると、そのすぐ後にユージインさんが続いていた。
「うんざりしていたね」ユージインさんは笑った。
「話がかみ合わないんですよ」
「あの子は人じゃないよ」
「え?」
「人じゃなかった。あまりうまく擬態もできてなくて、まだ少女と言っていいくらい。だからあんな風だったんだろう」ユージインさんは、面白そうに言った。
「それなら、もう少し話しておけばよかったですね。僕、面倒くさくなっちゃって」
「いや、あんなものでいいよ。どういう子かわからないし、あまりにも警戒心がなくて、かえって心配だったよ」
「普通は、ああいうんじゃないんですか」
「んー、もうちょっと警戒してるよね。誰かに聞いてるんだろうな。あの子は、聞く相手がいないんじゃないか。かなり無防備だったし」
桔平は、あの風船は少女だったのかと思った。そして明石ユーリのことを思い出した。どうしてるだろうか。最後に見た彼女の涙のたまった目を思い出した。
明石ユーリのことを思い出したことをきっかけに、桔平はさらにネットワークに慣れることと、自分を隠すことに熱心に取り組むようになった。その間、先生と香山さんが尋ねてはくれているものの、手がかりを手に入れることは難しい状態なのは同じだった。
仕事をしながら、ネットワークに参加し、ユージインさんを相手に練習を続ける桔平に優斗から連絡があった。情報を手に入れたから、会わないかという内容だった。優斗からの誘いにどうこたえたものか悩みはしたが、こちら側の情報を伏せておけばいいだろうと考え、すぐに会おうと返事をした。優斗から日時について返信があり、そこには未来も一緒だと書かれていた。
3人はいつもの場所で会った。以前会った時から大分たっていたので、秋の風景に変わっていた。青々としていた葉は美しい黄金色に変化し、夕方の日の光を反射して輝いていた。桔平はそういう季節の移り変わりを見ることも好きだった。今自分が取り組んでいることを一瞬忘れてしまうほどだった。
「久しぶり」3人は顔を合わせて簡単な近況報告をした。未来は付き合っている彼女のことをひとしきり話した。
優斗から話し始めた。「あれから何か手がかりは見つけたか?」と優斗が桔平に尋ねたので、桔平はいいやとだけ答えた。未来も同様だった。未来は「すまない」と桔平に言った。
「いや、いいんだ。こんなこと医者のお前が簡単に話せることじゃないことはわかってるよ」と桔平が理解を示すと、未来は安堵したような顔をした。
「俺は、あちこちに聞いてみた。噂について。俺の知ってる範囲だけど。それで気になることを聞いたんだ」
「なんだ」と未来は興味をそそられたように身を乗り出した。
「政府が絡んでいるのは間違いないという話さ」
優斗がそう言ったので、桔平は自分たちの推理が当たっていたんだと思った。
「政府が絡んで、患者の組織を都合よく利用してるということか。」
「そこまではっきりとはわからないさ。たぶん、日本地区だけじゃないらしい。」
桔平は絶望した。そんなに大事だったのか。
「そしてその加工には医者が絡んでいて」とそこまで優斗が話すと、未来がいきり立つように「なんだって」と声を荒げた。
「大きな声をだすなよ」優斗がたしなめた。
「そんなことをしてる医者がいるなんて許せるわけないだろう」と未来が言うと、
「医者のお前がそんなことを言うなんて。医者は知識や技術を使って、人の求めに従うような仕事だろう。そうしたらそういうことをする医者がいてもおかしくないじゃないか。」と優斗が返した。未来はその答えにますますいきり立って「医者っていうのは、人の命を救う崇高な仕事だ」と大声を出した。
優斗は「ヒポクラテスの誓いか。」と皮肉を含んだ笑いを返した。未来はむっとしたように「そうだ」と言ったが、さすがにそんな誓いに使命をささげている医者がそれほどいるわけじゃないということを思い出したようだった。
「お前がその誓いに命をささげていることは知ってるよ」と優斗はとりなすように言った。そして「ただ俺が調べたことも事実だ。桔平の患者の件には医者が関与してる。そして」と優斗が続けたので、桔平はまだほかにあるのかと思った。
「そしてそういう技術は、人が宇宙で生きていくためだったり、永遠に生きていくことを目指す技術を応用するらしい」と言った。
「人が永遠に生きる?」未来は小ばかにしたように言った。
「そんなことさすがにできるわけないだろう。もちろん外見は若く保てるさ。身体機能も。だけど脳はどうやっても老化を防げない。なぜなら脳についてはどうやってもわからないことがあるからだ」
「そうなんだろうが、今言ったことに真剣に取り組んでまじめに研究をやってる連中がいるのさ」
人の永遠に生きたいという願いは太古の昔から変わらない。そのためにならなんでもするというのもそのころから変わらない。でも、そんなことのために明石ユーリの組織が使われているのは許せなかった。
「それはどこでやってるのかわかったのか」桔平が怒気をはらんだ声を出すと、優斗はそうだろうという顔をして「そこまではわからない。日本地区にもあるようだが、特定は難しい。どうも、ほとんど見つからないようにやっているらしい。不思議だよな。桔平から話を聞いて、噂を確認するのは簡単だった。だけどどこがということになると、かき消えてしまうんだ。すべてが」
香山さんが言っていたことと同じだと桔平は思った。そして人じゃない人に繋がっていくんだろうか。
「じゃ、それ以上は今はわかってないの」と桔平が聞くと、優斗は申し訳なさげにああと答えた。
「優斗が申し訳なさそうにすることはないよ。俺はもっとわからなかったし。」と桔平は言った。
「俺は、自分の患者のために何が起きてるか知りたいし、いやもっと言うなら患者を救う方法が他にあるのか知りたいけど、優斗はその永遠に生きたいという連中について調べたいの?」と桔平は尋ねた。
「俺は、何が起きてるか明らかにしたいんだ。」
未来が「それは、でもひょっとするととんでもないことになるかもしれないんじゃないか」と心配そうに言った。
「それでも、だ。」優斗はきっぱり言った。未来は不安そうに
「俺は、桔平のその子は気の毒だと思うけど、それに関わりたいと思わない」と言った。
「未来がそう思うのは当然さ」桔平は慌てて言った。実際、未来がそう言いだしてくれてありがたかった。優斗も「未来を巻き込もうとは思わない。お前は有能な医者なんだから、その道を進むべきだ」と言った。
「俺も、俺の患者のことは心配だし、なんとか治療したいと思うけど、優斗の」と桔平が言い出すと、「俺がお前らを巻き込もうと思っていると思うのか」と不快そうに言った。続けて「ここからは俺だけがやっていくことだと思ってる。桔平が教えてくれたことはきっかけに過ぎないし、俺には俺の動機があるんだ」ときっぱり言った。
そして「食事を頼もうぜ。話は終わった」と優斗はふざけたように言い、その言葉に未来もほっとしたようにそうだなと答えた。そして3人はメニューを眺め、ああでもないと言いあい、それぞれ自分の好みの食べ物と飲み物を頼んだ。