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あるものの死

作者: Python
掲載日:2010/06/06

 私はもうすぐ死神に連れ去られる。

 そして地獄に連れて行かれ、地獄の業火に焼かれるのだ。


 昨日まで私には、あたたかい家があった。

 しかしその家から、私は追い出された。


 もうすぐ命が尽きる私を、悪魔が見ている。

 真っ黒な衣をまとった悪魔が奇声をあげながらこちらを見ている。


 道端に転がる私の前を多くの人が通る。

 しかし私の方を見る人はいない。

 見たとしても、顔をしかめるだけだろう。


 私に未来はない。

 私にもう生き延びる道はない。

 私にはもう動く力はない。

 静かに死を待つだけだ。


 いつのまにか悪魔が目の前にいた。

 悪魔はためらうことなく私の皮膚を破る。

 私から血が流れた。

 悪魔は、構うことなく私の中身を引きずり出す。

 しかし悪魔は私を殺すことをしない。

 ただ、もてあそぶだけだ。


 死神がやってきた。

 ついに私は死ぬようだ。

 死神は私の前に立つとその、大きな口をあけた。

 私と同じような格好をしたものたちがその口に吸い込まれてゆく。

 そして私の番になった。

 死神の子分に持ち上げられ、私は死神の口へと吸い込まれていった。



「……まったく、勘弁して欲しいよなぁ」

助手席に乗り込んできた相棒が言った。

「ああ、またか」

 俺は車を発進させながら答えた。

「……まったく、カラス防止ネットくらい被せろってんだ」

 相棒はまだブツブツと言っていたが、俺はそれ以上答えずゴミ処理場への道を急いだ。


どの行で「私」の正体はわかりましたか?

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