テスト
堕天使ルアちゃんのテストです
世界が終わったのは、午前七時三十四分だった。
光が差し込むはずの空は、七つの白き輪によって覆われ、そこから舞い降りたのは天使たちだった。
だが、それは祈りに応えるものでも、救済をもたらすものでもなかった。
彼らは言った。
「執行」
ただ一言の後、都市は光に呑まれ、大地は燃え、海は蒸発した。
文明は崩れ、人々は灰となった。
天使たちは“神の意志”を名乗り、世界を浄化するために舞い降りたのだ。
そして終焉から百年。
生き残った者たちは、崩れた大地の底にある“影の領域”に潜みながら、生をつなぐ。
天の眼から逃れるように、闇の中で、言葉をひそめて。
そんな影の地に生まれた一人の少女――名はルア。
彼女は十六歳の誕生日、地下の祭壇で奇妙な光の羽根を拾う。
それは、決して人の手に渡ってはならないもの。
天使の羽根――滅びの象徴にして、唯一“神の力”に抗えるものだった。
その瞬間、彼女の背に同じ光が灯る。
「適合者、確認。対天使因子、覚醒――」
ルアの中で何かが目を覚ました。
それは、かつて神に最も愛されながら反逆し、地に堕とされた者の力。
堕天の記憶。
そして彼女は知る。
この世界は、まだ終わってなどいない。
滅ぼされたのではない――奪われたのだと。
これからよろしくお願いします