第5話
8代属性の会談
8代属性の王と王女が集まっていた。
「ワシは、光属性のホウル王者だ。」
「吾輩は、闇属性のハデス4世だ。」
「我輩は、火属性のアグラスだ。」
「私は、水属性のアクアクイーン4世です。」
「わっちは、土属性のガルタだ。」
「拙者は、木属性のナノハナ丸だ。」
「俺は、雷属性の鈴谷。」
「僕は、風属性の桃真。」
光属性のホウル王者は、会談に向けて始めようとする。
「では、全員揃ったことで会談を始めようとしよう。」
みんなも頷いた。
「では、ハデス4世の報告により、謎の船について、未だに調査中であろう。また、新たにアグラスの報告もあった様だな。」
「ああ、我輩の火の属性世界が襲われて、手にも負えなかった。」
「しかし、ある旅人のおかげで、救われたのではありませんか。」
「まあ、そうだな、アクアクイーン4世の言う通りだ。我が国を荒らされるのも尺ではないからな。」
「まさにそれですね。でも、土属性と土の属性世界に頭を下げなければならないのでは。」
「そうだ。わっちの故郷も苦しい状況なんだ。だが、争いを無くすことが出来るのであれば誓うか。」
「それについては、すまなかった。今は、今後のことを考えなければならないからだ。」
「ワシは、アグラスの言っていることに賛成だ。」
風属性の桃真は、みんなの話を聞いて、考えている。
ハデス4世は、桃真に目を向けた。
「おい、風の代行者よ。お前はいつも黙ったまんまなんだな。」
「僕も考えている。謎の船が動き出したことの通知を受けて、どのように参戦するかで悩んでいたんだ。」
「それもそうなんだがな。」
雷属性もそれなりに悩んでいた。
「だが、今の世界で混乱に陥ってしまったら、この世界は終わりになってしまうぞ。」
「拙者も同感だ。しかし、わからぬことがあるからだな。」
ホウル王者もナノハナ丸の言葉に震えた。
「そうじゃな。本題に入ろうか。」
みんなも注目に入った。
「今の世界で大変なことが起きるようだ。」
息をのんだ。
「ワシの光の属性世界で光属性の精霊天使から言葉をいただいたんだ。」
みなも驚く。
「今の世界で外の世界から不吉な邪悪なる漆黒の闇が現われるのかもしれぬと言う事だ。」
そりゃ、固まるのだろうな。
「それでこそ。ワシたちの属性世界で魔鉱石を利用しなければならなくなった。」
「吾輩も王である以上、世界を滅ぼされる前に事態を解決しなければならないのだろう。」
アグラスも立ち上がった。
「我輩も、それを解き放つ時が来るのであろう。」
みんなも立ち上がった。
しかし、桃真も疑問に思っていた。
「それのことなんだけど、魔鉱石の後継者についてはどうなりますか。」
立ち上がったが、沈黙に落ちた。
振り出しに戻り、8代属性の王達も悩んでいた。
ホウル王者も切り出した。
「さて、今の世界にいる勇者を探し出さねばならないのだろう。」
ハデス4世は、それを聞いて驚いた。
「何っ、今の世界で勇者を探すだと。」
桃真もホウル王者の言っていることに傾けた。
「光属性の代行者のホウル王者の言っていることに賛成だ。」
しかし、ハデス4世も納得出来ていなかった。
「お前は、瘴気か。魔鉱石を手渡すことになると、主の世界で崩壊の恐れがあるのだぞ。」
雷属性の鈴谷は、ホウル王者と桃真の言っていることを感じた。
「確かに、魔鉱石を手渡すことになると崩壊するのかもしれないが、魔鉱石が消失しない限り、我々の
世界も崩壊することは無いだろう。」
アグラスは、決心した。
「その方が良いのかもしれませんね。見つけ次第、勇者は、すべての世界を救っていただくことになるだろうな。」
アクアクイーン4世も納得したようだ。
「私も賛成です。すべての属性世界に住むみんなに力を合わせて協力するしかありません。」
ガルタは、何もしないよりはマシだと思っていた。
「わっちもアクアクイーン4世に頼りぱっなしで何も出来なかった。すまないと思うがわっちも動き出そう。」
ナノハナ丸も動き出そうとしていた。
「拙者も全人類を救う手立てが必要になれば、力を貸すぜ。」
しかし、それぞれの属性世界で魔鉱石が不明だ。
ハデス4世もそれに気づいていた。
「吾輩は、気づいたことがあってな。魔鉱石というのは、どこにあったのだろうか。」
ハデス4世の言葉で全員が冷めた。
アグラスも曲げなかった。
「ならば、我輩の属性世界で一人旅に行かせた。木製の船で全属性世界に旅立っているのだろう。」
「だがな、吾輩が気づかぬ間に泳がせてしまった。気づいていれば、こんなことにならなかった。」
「私は、船長のスバルと仲間達に託すしかなかったのかもしれません。」
アクアクイーン4世の言っていることは、最もだ。
「ワシもスバル船長の仲間達を信じたい。いや、信じなければならないからだ。」
鈴谷も救い出すことが出来るのは、スバル船長の仲間達に託すことを決意する。
「俺もアクアクイーン4世の言っていることに賛成だ。動かすことが出来るのもあのメンバーでしかない。」
ナノハナ丸も頷いた。
「ああ、今の世界で滅ぼされるよりは、マシなんだろうな。いずれにせよ、いつ訪れるかはわからないがな。」
ガルタも気づいた。
「わっちは、全人類が属性を持っていることで、何か悪さをするのかもしれない。」
呼吸して。
「異変が起き始めたら、駆け付けに来てくれることを願うしかないだろう。」
そうしなければならなかったのかもしれない。
ホウル王者も会談に終わりを告げ始めた。
「諸君っ!急いでワシ達の属性世界に戻らねば・・・」
みんなもそろそろ戻る時と感じた。
「一刻も早く、混乱にならないよう、ワシ達の属性世界を支えるのだ。」
「「「うんっ。」」」
「では、解散っ!」
それぞれの8代属性の代行者は、属性世界に戻っていった。
勇者探しも大変だ。
さらに、魔鉱石を探す旅も始まっている。
ホウル王者も全ての世界のことを考えなければならなかった。
(うむ、太陽の精霊天使は、なぜ、光属性の市民に声を掛けるのだろうか。)
そこの部分を疑問に思っている。
(まさか、光属性の勇者として託すつもりなのか。)
ホウル王者も考えすぎなのかは、わからないようだ。
(まずは、一刻も早くワシの属性世界に戻らねば・・・。もし、敵に襲われたら、ひとたまりもないのだろう。)
8代属性の代行者は、いつになっても属性世界を守らなければならなかった。
どこかで邪悪な気配が蝕まれてもおかしくなかった。
一方、桜花達は、船に乗りながら海を渡っている。
柱のてっぺんに土藁氏が眺めている。
スバル船長も絶食しているようだ。
当然のことであろう。
あの時の食料も減って、3日間分の食材しか残っていなかったようだ。
桜花とナイトもお怒りの様だ。
「うむ、スバルもしっかりして欲しい者だ。」
「ええ、痩せたら、やる気を見せてくれるわ。」
シーホープ号でいよいよ、土の属性世界が見えてくるだろう。
「おーい、土の属性世界が見えて来たよっ。」
ナイトは、舵を握り、土の属性世界に向かった。
「おし、船を着けて、上陸だ。」
すると、スバルは、ヘロヘロになり、倒れそうだ。
「スバルは、何をやっているんだ。碇を投下せんか。」
ナイトは、スバルを叩き、仕事をさせた。
「おし、碇投下確認。」
スバルも船から降りた。
「さて、飯はどこだ。」
土の属性世界に上陸したスバルは、飯を探しに行ってきた。
「ちょっとスバルは、目を離すとすぐこれなんだから。」
「俺は、スバルキャプテンを監視に入る。いなくなっては困るからな。」
角之助も目を離さない様に跡を付ける。
土の属性世界に到着し、土藁氏も故郷も心配だ。