第2話
水の属性世界の兵士の案内人が城まで送られていた。
「到着しました。私たちの水の都の城でございます。」
兵士は、正門の扉を開いて、足を踏み出した。
城内を進んで、王室の間にたどり着いた。
そこには、王女様が座っていた。
「ご足労お掛けして、ありがとうございます。私は、水の属性世界の王女、“アクアクイーン4世”でご
ざいます。其方の勇気で敵に立ち向かっていただいてありがとうございます。」
「いえ、みんなが大変なことになっていて、助けました。」
「そうでしたか。水の属性世界も救われて、感謝しております。」
「はい、とんでもございません。」
「私も気になることがございます。其方達は、何をされてますか。」
桜花も考えていた。
「私は、今の全世界で異変が起きていることで世界を救いたいと思っております。」
「そうですか、もう一つございます。其方の名前をお聞きしたい。」
「はい、私は、桜花でございます。光の属性世界から出てきました。」
「そうでしたか。この先も大変な旅になると思います。今の世界をお救いくださいましてありがとうご
ざいます。」
王女も考えていた。
「其方には、報酬として、10000ジュエルを差し上げます。」
「えっ、とんでもございません。」
「これは、私たちの世界を救っていただいたお礼でございます。お受け取りください。」
「はい、ありがとうございます。」
「そちらのお方はの名をお聞きしてもよろしいのでしょうか。」
「あっ、私は、甘恵でございます。」
「其方は、どのようなことをされているのですか。」
「私は、あてのない旅をしているのです。」
「そうでしたか。桜花と共に同行をし、世界をお救いください。」
「わかりました。私たちの仲間にも相談します。」
桜花と甘恵は、一礼をして、王室を退出した。
同じく、兵士は、港まで案内された。
「到着しました。港でございます。」
「ありがとうございます。」
「私もありがとうございます。」
港に着いている船に乗り、出航しようとしたが、船長もすでに昼食の時間となっていた。
「おーい、三夏、飯お代わり。」
「もう、後先のことを考えて欲しいんだな。」
三夏もさすがに怒っていた。
いつものことで食べ物のことしか考えていなかった。
「うーむ。船長もどうしようも無く、怠けているからな。」
桜花も行動を始めた。
「それじゃ、船を出航するわよ。」
「それもそうだね。」
土藁氏も出航の準備に加わった。
「オラも手伝うよ。」
帆の柱をてっぺんに登り、帆を張った。
「右のロープの固定完了。」
「私も左のロープの固定完了。」
準備が整い、出航した。
甘恵も桜花の目的を協力することだ。
仲間を集めて、桜花の旅が始まった。
邪悪な気配の様子
桜花の世界から遠い宇宙で移動している。
まだ、殻の中で桜花のいる世界に引きこもっている。
徐々に漆黒の魔力を注ぎ込んだ。
心の闇を吸収することで成長する。
羽化したら、恐ろしい竜になるだろう。
漆黒の身体と顔周りは、8本の角を纏う。
まだ、心の闇を集めなければ、完全体にならなかった。
その為、桜花のいる世界につついて混乱することになるだろう。
闇の属性世界
闇の属性世界では、景気が悪いイメージと思われている様だ。
しかし、景気が悪いというわけではなく、みんなの力を合わせて、平和を導いている。
闇の王が実在しているので、領主を収めているからだ。
闇の属性の人間は、8つの中の世界で働くこともある。
闇の属性世界で懐が無く、彷徨っている。
「はぁ、ワシは、ここまでなのかな。」
Dr.ガイが、行く当てもなく、きっかけを探しているようだ。
すると、漆黒の霧が降り注ぎ、身体に取り込まれた。
(なっ、なんだ。)
どこも姿も無く、見回しても同じだ。
(どこにおる。)
(ぐふふふ。お前は、力が欲しいか。)
Dr.ガイも考えていた。
(なら、このワシが倒れる訳には、いかん。)
(ぐふふふ。なら、目覚めよ。覚醒し、ふるまいたまえ。)
Dr.ガイの身体も漆黒の霧が大きくなっていた。
闇の世界に住む一般の人類が騒いだ。
Dr.ガイは、地中に潜った。
(おおお、これは、湧き上がるぞ。)
その魔力を利用し、地下を開拓し始めた。
さらに、大型の機械仕掛けの船を開発し始めた。
Dr.ガイは、一人で作業することが難しく、作業員を探すこととなる。
地下から出て、Dr.ガイは、お尋ね者となっていた。
警戒しながら、顔を隠した。
歩いていると縮こまってる男性を見つけて、声を掛けた。
「そこの君、ワシのところに働いてみないか。」
「うう・・・」
Dr.ガイの手を差し伸べていた。
男性は、Dr.ガイの導きで踏み出していた。
Dr.ガイも見つかる前に身を潜めた。
地下に到着し、作業に取り掛かった。
連れて行かれた男性は、タツミゾンビと名のっていた。
働く場所も見つかり、Dr.ガイの元に尽くそうと思っていた。
新たな人生の始まりの様だ。
2人で作業し、大型の船を完成できるまでは数日か何年かがかかるのだろう。
桜花の乗っている船は、当てもなくどこかの世界に訪問することである。
桜花も気になっているのが船の名前である。
「ねえ、甘恵。今乗っている船の名前ってあるの。」
「うーん。スバルもいい加減だからね。」
まだ、何も決まっていないようだ。
「じゃあ、オラ決めてもいいかな。」
「いいんじゃない。」
「私も土藁氏が決めてもいいわ。」
みんなも考えた。
数時間で決まった。
「土藁氏。何かな。」
「じゃあ、シーホープ号。」
「なんか、いいね。希望の船って感じだね。」
船内の扉が開いて、スバルが出て来た。
「なんか、盛り上がっているな。」
「オラたち、この船の名前を考えてたんだ。」
「そう言えば、決めてなかったな。」
「今決まったんだ。」
「おう、何かな。」
「シーホープ号。希望の船にしたんだ。」
「うん。いいね。いっぱいの旅になりそうだ。」
桜花も世界を旅することで、8つの魔鉱石を集めて世界の混乱を治めることだ。
すると、海の周りを確認したら、木の属性の男性が浮かんでいた。
「おーい、海で男性が浮かんでいるぞ。」
気づいた土藁氏は、ロープと浮き輪を取り出して、海に放した。
「大丈夫ですか。」
その男性は、意識があり、浮き輪に捕まって、引き上げられた。
「土藁氏、私も手伝うわ。」
「うん。あともう少しだ。」
桜花は、男性の身体を支えて、船に引き上げた。
「大丈夫ですか。甘恵、三夏、応急手当と暖かい飲み物を。」
「わかったわ。」
「任しといて。」
甘恵と三夏は、引き上げた男性を支援した。
数時間後、男性は意識を取り戻し、目が覚めた。
「大丈夫ですか。」
「ああ、すまない。自作の飛行道具が壊れてしまって、海に彷徨ってた。」
「まあ、大変なことになってたんですね。」
「暖かい飲み物は、いかかですか。」
「ああ、ありがとう。」
無理に話すことが出来ず、回復できるまで数分程待っていた。
「体調はいかがですか。」
「ありがとう。おかげで楽になった。」
「良かったわ。私は、桜花です。今の船に乗って旅をしているんです。」
「俺は、アジサイ丸。木の属性世界から出て来た。」
「そうだったんですか。」
「俺は、自分の修行を行うために旅を始めたんだ。」
「私たちの仲間もいろんな世界を回っているわ。」
「そうだったんですか。」
アジサイ丸も考えた。
「俺、今の旅をして、大きな成長を成し遂げたいんだ。」
「大歓迎ですよ。仲間が増えたなら、嬉しいです。」
すると、土藁氏と甘恵も入ってきた。
「私も大歓迎します。」
「オラもお願いします。」
「みんな、ありがとう。」
アジサイ丸も仲間になった。
ナイトは、舵を掴みながら、火の属性世界に向かっていた。
Dr.ガイの様子
数日の間に大型の船が出来上がっていた。
さらに、土の属性サイボーグ壱とサイボーグ弐が誕生していた。
「おしおし、これでDr.タニック号が完成だ。」
大型の船の建造を完成し、試運転を行っていた。
「者ども、エンジン点火っ!」
Dr.タニック号を起動させて、正常に作動されていた。
「おおう、いいぞ、いいぞっ!」
地下から地上に出るつもりだ。
闇の属性世界の地上には、ひびが割れ、脱出した。