MIRA対雪
ついに実験が始まってしまった。MIRAの方々の強さは噂で何回か聞いたことがある。だが、"F-2246"の強さは未知数なのだ。この実験はどうなるんだろうか。
実験が始まった瞬間"F-2246"が一瞬でMIRAの方々との距離を縮める。
「うお、マジか!」
最初に"F-2246"が戦闘を挑んだのは、MIRA-9である酒井壮真さんだった。"F-2246"は壮真さんに蹴りを放つ。壮真さんは防御は間に合ったが数メートル飛ばされていった。
「ははは、噂通りの化け物ぶりだな。まさか一蹴りでこんなに飛ばされるとはな。」
「骨を折る気で蹴ったんだがな。」
「さすがに能力なしだと折れてただろうな。」
「やっぱり能力を使ってたか。」
まさかあの一瞬で能力を発動させたのか!普通の能力持ちなら発動させるには短くても3秒は必要らしい。それを一瞬で発動させるのはかなりすごいことなのだ。
「じゃあどんな能力でも関係ない攻撃をすればいいんだろ?」
"F-2246"がそういうと地面を蹴った。その蹴りによって地面にひびが入り壮真さんは、バランスを崩す。その瞬間、"F-2246"は距離を詰め、壮真さんを殴った。壮真さんは防御が間に合わずもろに食らってしまっていた。
「マジ…かよ…能力が上手く発動しないとは…」
かなりのダメージを負ったらしく壮真さんは吐血していた。
「能力のわからない奴に対し、自分から攻撃しないのはいいことだ。相手がカウンター系の能力だったら大ダメージを負うことになるからな。そこはよかった。だが、自分の能力に過信しすぎだったな。」
「はは…そうかもな。」
そして"F-2246"が壮真さんにとどめを刺そうとした瞬間、"F-2246"と壮真さんとの距離が広がった。
「助かった…」
「助けたくて助けたわけじゃない。相手を調子に乗せるのが気に食わなかったからだ。」
壮真さんを助けたのは、MIRA-8である雫紗理奈さんだった。
「まさかあの状態から助けが入るとはな。予想外だった。」
「あんたは私が倒させてもらう。」
そういうと一瞬で二人の間の距離はなくなっていた。そして紗理奈さんは"F-2246"を蹴り飛ばした。
「凄いな。能力はなんとなく予想できていたが、まさかここまで強いとはな。」
「私の能力をもう見破ったのかい?」
「そりゃわかりやすい能力だしな。その点でいうと最初の男の方の能力はまだわかっていない。」
「まあ、あいつの能力はわかりにくいからね。で、私の能力はなんだと思うね?」
「《距離を操る能力》。違うか?」
「合ってるよ。だが、わかったところで意味はないけどね。」
紗理奈さんがそう言うとまた二人の距離は縮まっていた。だが、さっきとは違った。それは最初に攻撃をしたのは"F-2246"だったのだ。"F-2246"の蹴りによって紗理奈さんは飛ばされた。
「なん…で…私の方が…有利だった…はずなのに…」
「そうだな。お前の方が有利だった。だが、有利だっただけだ。それを塗り替えられるぐらい実力差があったんだよ。」
「そうかい…ここらで選手交代といこうかな。」
紗理奈さんがそう言うと紗理奈さんと"F-2246"の距離は広がった。その瞬間MIRA-7とMIRA-6である柊里美さんと神谷夏鈴さんが距離を詰めていた。
「おっと。危ないな。」
そう言うと"F-2246"は二人と距離を取っていた。
「ここで倒せてもらいますね。」
「私と夏鈴さんのペアには誰も勝てませんよ!」
「ふーん。じゃあ俺がその言葉を訂正させてやるよ。」
里美さんが宙を蹴ると時間差で"F-2246"にダメージが入った。
「こりゃまた面白い能力だな。」
「私がいるのを忘れないでください。」
夏鈴さんは里美さんが攻撃を行った瞬間に移動していたのだ。そして"F-2246"の腹に拳を食らわしていた。だが、素早く動いていたわけではないのになぜ攻撃をできたのだろう?
「私の能力は《相手の意識外に入る能力》です。」
「凄いな。だが、言ってよかったのか?」
「私の能力は特殊で相手に能力を教えた方が強く発動するんですよ。」
「そうか。じゃあ、こっちも少し本気を出すか。」
そして実験は中盤へと入っていった。




