能力の覚醒
再開された戦闘。再開された瞬間、私は思いっきり地面を蹴り、二人との距離を縮める。そして体を回し蹴りを和希さんに向かって放つ。和希さんは少し驚いたような反応を見せたが、軽々避けて行った。
「さすがに避けられますか。」
「まさかそんなに身体能力あるとは思っとらんかったから少し驚いたがな。」
そんな会話をしていると、また和希さんが距離を縮め、蹴りを繰り出してくる。それを私はギリギリのところで避ける。
「二度は食らいませんよ。」
「もう対応できるようになったんか。すごいな。」
そして、戦闘はさらに過激さを増していった
……
私は目の前で起こっていることに脳の整理が追い付かなかった。目の前ではセーブとロードを繰り返しながら攻撃をする和希さん。そしてその攻撃を難なく躱し、カウンターをしている透華さん。雪さんと私は蚊帳の外だった。すると、雪さんが話しかけてきた。
「そろそろ俺たちも戦うか。」
「わかりました…」
そう返答すると、雪さんは手のひらを私に向けた。その瞬間、私はその手のひらに引き寄せられたのかと思うほど気づいたときには手のひらの前に移動していた。そしてもろに蹴りを食らってしまった。
「それが…雪さんの能力…なんですか?」
「これは俺の能力の一部だ。相手を引き寄せる程度しかできない単純な能力じゃない。」
……
雪さんと聖菜さんの方も戦いが始まったようだった。聖菜さんは一般女性より少し低い程度の身体能力らしく一方的にやられていた。
「聖菜はんの心配より自分の心配したらどうや?」
その瞬間、強烈な蹴りが私の腹に当たった。そして私は5メートル程度蹴り飛ばされてしまった。
「さすがにきつくなってきましたね。」
「そりゃそうやろうな。もうそろ能力使えるようならへんと大変なことなってまうで。」
そして和希さんの蹴りが私に飛んできた。その攻撃が当たる瞬間、私の能力は覚醒した。
……
私は雪さんにボコボコにされていた。腹は何度も蹴られ、もう感覚すら感じないレベルになってきた。顔は何度も地面に倒れたことで土まみれになっていた。私はかなりのダメージを負い、気絶寸前にまでなっていた。
「さすがにここまでか。」
そして雪さんは私に背を向け立ち去ろうとしていた。私はその事実が悔しかった。その瞬間私の能力は覚醒した。
……
「なっ!」
「危なかったです。ぎりぎりのところで能力が発動してよかったです。」
そう、私は能力が覚醒し、私の能力により和希さんの攻撃は私に当たる直前で止まっていました。そして私は止まっている和希さんに蹴りを食らわした。
「まさかのタイミングやな。どんな能力かも把握できてるみたいやな。」
「はい。私の能力は《射程距離内の力を消せる能力》です。まあ制限はいくつかありますが。」
「そういうことか。やからワイの蹴りが止まったのも、その能力のせいってことやな。」
「そういうことです。まだ続けますか?」
「今日はもう疲れたわ。ワイは雪先輩と違って戦い好きやないからな。」
「じゃあ聖菜さんと雪さんのところに行きましょうか。」
そして私と和希さんの戦いは終わった。
……
私は能力を使った。使った瞬間、雪さんはその場に倒れた。
「ほう、なかなか強い能力だな。俺の予想では五感に関連した能力なんだが、あってるか?」
「はい…そうです…私の能力は…《相手の五感を奪う能力》です…」
「凄いな。てことは今俺は視覚を奪われたのか。」
「そうです…降参しますか?」
私がそういうと雪さんは急に笑い出した。
「この程度で降参したら楽しくないだろう?」
そう雪さんが言うと、私の目の前から消え、首に強い衝撃が来た。そして私は気絶した。
……
雪さんたちのところに戻ると気絶した聖菜さんと聖菜さんを抱えている雪さんが私たちを待っていた。
「そっちも終わったんですね。」
「ああ、聖菜は意外と強い能力だった。」
「透華はんも、かなり強い能力やったで。」
そうして私と聖菜さんの能力を話した。そして自由時間は終わった。




