雪の能力
そして雪さんと再会した森にまで戻っていた。
「あの…能力を教えてくれるって…本当ですか?」
「雪先輩は能力が研究者にバレるようなことはせえへんと思ってたんやけど?」
「はあ、話聞いてたか?一部だ。俺の能力の一部だけ教えるだけだ全部は教えない。」
「わかりました。」
「稗加、お前にも教えるが知った瞬間お前は裏切れないと思っておけ。もし、別の誰かに行ったら消す。」
雪さんはそう言いながらかなりの殺気を稗加さんに向けていた。
「わかりました。」
「じゃあ、言うか。」
「その前になんで今言おうと思ったんですか?」
「ここでの生活に飽きただけだ。」
「でも…ここから…出れた人は…いないって聞いた…」
「それは俺以外の奴らだ。ただの雑魚じゃMIRAの奴らに見つかって終わりだ。」
「じゃあ、雪さんの能力はMIRAの人に見つからないんですか?」
「見つからないようにもできるし、見つかっても勝てる。」
「そうなんですか…自信が凄いですね。」
「てか、面倒だし、もう能力いうぞ?」
「はい」
「俺の能力の一部は《能力をコピーする能力》と《能力を付与する能力》、《未来を変える能力》だ。」
「凄い能力ですね」
「まあ、雪先輩ならこの程度もってても驚かへんけどな。」
「仲間になってよかったと心底思っていますよ。」
「私も…そう思う。」
「普通ならお前らみたいな反応になるんだろうが使い勝手のいい能力じゃない。コピーの能力はコピーしたい能力を持っている本体に触れる必要がある。付与は一定距離離れると自分に能力が戻ってくる。未来変更も起きる可能性のある未来に固定することができるが起きない未来には変えられない。」
「でも、それを引いても強くないですか?」
「そうだな。あ、あと、未来変更の能力は【俺】の能力というよりは【もう一人の俺】の能力だ。」
「もう一人の雪さん?」
「ああ、俺には実験時にできてしまった、もう一つの人格がある。そいつの能力が未来を変える能力ってことだ。」
「そうなんですね。」
「でも不思議ですよね。能力は一人一つだと思っていたんですが。」
「私も…そう思ってた…」
「それは簡単だ。お前らとは違う実験の成功例が俺って話だ。失敗作は【今日】来るであろう怪物たちだ。」
「今日?怪物が来るんは6日後やろ?」
「多分この話をどっかで聞いてるんだろ?MIRAの奴らが。俺の能力の一部も知れたんならもう実験は、用なしになる。そうなるとここに大量の能力持ちを置いておくより怪物を入れて戦わせたほうが向こうも楽だろ。」
「よくわかりましたね。」
雪さんが話していると急にそんな放送が鳴り出した。
「今から失敗作を計121体入れさせてもらいます。」
「な!121体!?」
「意外と行動が速いな。」
「雪さん。どうしますか?」
「多分怪物の登場でここは大混乱になるだろ。その隙にここを抜け出す。」
「わかりました。」
「じゃあ、怪物が出た瞬間全力で出口に走るぞ。」
「了解です。」
そして大きなサイレンの音が鳴り出した。
「今だ!ついてこい!」
「はい!」
そして私たちは出口に向かって走っていったのでした。