出会い
私たちは戦いの起こっているであろう場所に着いた。そこにいたのは金髪の男性と白髪の女性だった。
「待ちやがれ!あと6日で怪物が出るんだよ!お前を殺せば怪物は一体減るんだよ!俺の生存率を上げるために死ね!」
「やめてください!そんなことしても何にもなりません!」
そんな会話をしていた。そして男性の方が私たちに気づいた。
「何見てんだよ!お前らも死にたいのか?」
「あんさん、殺すやら死ねやらいうとるけど、そういうとると弱く見えるで?」
「なんだと?」
「やから、弱く見えるt…」
その瞬間、男性が和希さんに近づき胸を貫いていた。
「ははは、俺のことをバカにするからだ!俺のことをバカにしたから死ぬんだよ!」
そんなことを男性が言うと
「誰が死んだって?」
と和希さんが話し出した。
「な!なんで生きてるんだよ!」
「んなもん自分で考えや。」
「く…クソがぁぁ!」
そしてまた男性は和希さんを殺そうとしたが、和希さんはそれを軽々避けた。それに一瞬驚き動きが止まった。和希さんはその瞬間を逃さなかった。男性の顔面を殴り、地面にたたきつけた。
「はあ、ほんま弱いな。避けられただけで驚くとか、雑魚やないかい。」
「俺は…最強の能力を手に入れたんだ…負けるはずがねぇ…」
「わいに倒されとる時点で最強ちゃうわ。てか、雪先輩、この人どうします?」
「そうだな。本気でお前を殺しに来たんだ。生かしておくとどうなるかわかったもんじゃない。殺すか。」
「わかりました。」
そして和希さんは男性の首をはねた。その間に雪さんはもう一人の女性に話しかけていた。
「お前の名前はなんだ?」
「私は、三条稗加です。」
「能力は?」
「言った方がいいですか?」
「言わなければ俺らが安心できない。そうなるとお前をさっきの男と同じ目に合わせた方が楽だ。だから、言った方が身のためだ。」
「…能力は《正しい方向に引き寄せる能力》です。」
「正しい方向?」
「正しい方向とは、その名の通りです。行動は場合によってはいい方向に行き、場合によっては悪い方向にも行きます。私の能力が発動している間は無意識の内に良い方向に行く行動をとれるようになるんですよ。」
「そんな能力か。」
「聞くだけだと…強い能力…ですね…」
「聞くだけだとそうですね。でも弱点も多いんです。まず、この能力はいい方向というより最善の行動をとらせるんです。ですから、もし仲間を助けたいと心の中で思っていても能力発動中は自分の意志とは関係なしに動いてしまうんです。それに能力の制限も多いです。発動できる最長時間は12時間、発動した分だけクールタイムが必要です。自分の能力より強力な能力が発動している間は能力が発動できなくなります。」
「意外と制限があるな。」
「はい。あ、あと私もあなたたちについて行ってもいいでしょうか?」
「俺はどっちでもいい。」
「私も…どっちでも大丈夫…」
「私も大丈夫です。」
「わいもどっちでもええですよ。」
「じゃあ、ついてきていいぞ。」
「ありがとうございます。」
そうして稗加さんが仲間になった。
「ていうか、なんで稗加さんはあの男に追いかけられてたんですか?」
「それは、私が一人で探索していたら急に襲い掛かられて、能力のおかげで何とか逃げられた感じです。」
「ん?パートナーはどうしたんや?」
「私のパートナーは死んでしまいました。」
「まだ殺した方がいいって考えの奴がおるんやな。雪先輩のことを知ったらそんなこと考えへんのにな。」
「あの、雪さんはそんなに強いんですか?」
「ああ、一年前のこの実験のときは雪先輩一人で全106体の怪物をほんの数分で倒したんやわ。しかも無傷でな。」
「凄いですね。」
「せやろ?んやから、殺しなんてする意味ないんやわ。下手したらさっきの男みたいに返り討ちやわ。」
「というか、なんで和希さんは胸を貫かれて死ななかったんですか?」
「わいの能力で死ぬ前にセーブして死んだ瞬間ロードしたんやわ。わいの能力は死んでも発動できるんやで。」
「ほんとにチート能力ですね。」
「聖菜はんも透華はんも稗加はんも能力強いやないですか。」
「俺は弱いか?」
「雪先輩は規格外じゃないですか。」
「はあ、てか、もうそろそろ俺の能力の一部を教えてもいいかもな。隠すのも面倒だし稗加にも教えてやる。」
雪さんはそんなことを言ってもといた場所に戻っていった。雪さんの能力は何なんだろうか?