表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢王の書~ ELSIUM OF EUPHORIA~  作者: LSABA
二章 華の国編
83/149

第83話

親切な方のお陰でとんでもないミスを犯していることに気が付きました。話がずれてた原因が「65話」が抜けていたからでした………。なので急遽新しく投稿しなおしてお知らせのついでで投稿します。

この一件で昔から見直しをしないせいで散々な目にあったことを思い出しました。

 満足そうな笑みを浮かべながらアイスを口に運ぶライブラ。自分が食べた後、スプーンでアイスを少しだけとりアイの口へ運ぶ。

 因みに、僕の全財産である。一口は食べた。否、一口しか食べられなかったと言った方が良い。美味しかったよ?余韻に浸る暇も量も無かったけど………。

 期間限定で数量限定のスペシャルアイスを目にしたライブラが、耳元で喚きだした。それが耐えられなかったせいで、路銀が底を尽きた訳だ。

 楽しみにしていたアイスも食べれていない。実際は食べたがあれは食べた内に入らないだろう。

 

「返品したい」

「………?アイスはもうないですよ?」

「お前だよお前!普通三等分でしょ、何で五、四、一何だよ!」


 さっきも食べてたやつが一番食べているのも腹が立つ。しかもこのアイスはコーンタイプのアイスだったんだが、そのコーンすらくれなかった。

 

「まあまあ。2人ともその辺で」

「「良くない!」」


 暫くの間言い合いが続き、疲れて黙るころにはツクヨミがいると思われる城の前についた。

 当然のことながらそこには門があり、槍を持った門番が二人立っている。


「そこの者、何用だ」

「あ、えっと………」


 鋭い目つきで睨みつけられ、少し動揺してしまう。

 そんな僕を見て怪しいと感じたのか、門番は槍を握る手に力を込めた。


「御三家の使いか?五家の者か?」

「いえ、ツクヨミ様にお会いしたいんですが………」

「馬鹿を言うな。お前の様な得体のしれない奴が簡単にお会いできるお方ではない」


 門番の目つきがさっきよりも鋭くなる。

 それはそうだ、得体のしれない余所者が急に国の象徴に会いたいと言っても通してくれないのはあたりまえのこと。

 それでも諦めるわけにはいかない。

 

「実は船で話したことがあって、それで聞きたい事があるんです」

「くどい!早く立ち去れ、さもなくば叩き返すぞ」


 流石に暴力沙汰は不味い。でも今会えなければこれから会う事も出来ないだろう。

 どうすれば良いのか迷っていた時、門の横にあった小さい扉から人が出てきた。

 短い黒髪で、眼鏡をかけたクールな男性。着物を着こなした仕事が出来そうな人である。そんな男性を見た門番が、拳を手で包み挨拶をした。やはり流水がした挨拶は華の国の挨拶方法だったらしい。

 門番がここまでするという事は、身分が高い人だ。この人に話を聞いてもらえばもしかしたら………。


「何事ですか、上まで聞こえていましたよ」

「申し訳ございません縁真(えんま)様。実は—————」


 門番がこれまでの経緯を縁真に説明している。

 顎に手を当ててそれを聞く縁真の顔が、段々と険しくなっていく。

 話を聞き終えた縁真が、眉間にしわを寄せた顔でこちらに近づいてくる。そして僕の目の前で立ち止まり口を開いた。


「我々ですら門前払いを食らう日もあるのに、貴方の様な凡人が会えるわけ無いでしょう」

「な………流石に言い過ぎじゃ—————」


 散々ないわれ様に腹が立ち、言い返した瞬間。縁真が僕の腹に膝蹴りを食らわした。

 あまりの衝撃に、その場にうずくまる。

 縁真は下がった僕の頭を掴み言った。


「立ち去れ、ここは我々五剣が守って来た神聖な場だ」


 薄れゆく意識の中、縁真の背中が見える。眼の端には、赤い文字で気絶と書いてある何かが見える。こんなところはゲームらしいんだけどな………。


————————————————


「ツクヨミ様には御目通り出来ませんか?」

「ああ、いつも通りだ。天上のお方は我々には興味が無いらしい」


 晒をまいて胸を隠した女が、不満そうに縁真に返した。

 それを聞いた縁真は呆れたように言う。


龍炎(たつえん)。一応城内ではそう言ったことは控えてください」

「チッ。分かったよ」


 地面を蹴る様にに方向転換し、その場から去る龍炎を尻目に、固く閉ざされた月の扉を見る。

 何時からだろうか、過去はこうでは無かったとじいが言っていた。


「やはり、超人種でなければいけないのか………?」


 悔しそうに唇を噛みながら、縁真もその場を後にしたのだった。

 ………………

 ……… 

 …

 城門前で気絶した僕は、その後門番の人に城下の診療所に運ばれた。

 気が付けば布団で寝ていたが、腹の痛み以外何ともなかったので、そのまま直ぐに診療所を出られた。

 取り合えず落ち着ける場所を探して歩いていると、小さな川の様な場所を見つけたので、近くにあった長椅子に腰かける。

 背もたれは無かったので、少し前かがみになっていたが、さっきの事を思い出して更に頭が下がる。

 今思い返せば、自分がどんなに馬鹿だったか分かる。先生の所で何を学んだんだと自分で殴りたいぐらいだ。

 頭を抱えて本当にやろうか考えていた所に、アイが紙をもって飛んできた。


「マスター!これを見てください」


 そう言って渡された紙には、大きく御前試合と書かれていた。

 御前試合!見事勝利を勝ち取り我らが王から褒美を!尚、五剣も出場。

 と書かれた簡単な知らせだった。五剣………勝ち進めばあの縁真とか言う人とも戦えるのかな?それに、優勝すれば褒美って書いてあるし、ツクヨミにも会えるってことだろう。

 御前試合の応募方法を確認し、受付がある場所に向かう事にした。

 アイが持ってきた知らせを強く握り、腹に一発食らわせてやるという信念をもって………。

 

ずれてないですよね……?_

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ