表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
賢王の書~ ELSIUM OF EUPHORIA~  作者: LSABA
三章 魔王と姫とLASTライブ
132/149

第126話

久しぶりの投稿で設定がめちゃめちゃの可能性が…………

 祭りが賑わいを見せる中、僕たちは懐かしい光景を目にしていた。違うところと言えばアイやライブラが居る事だろう。先生のところにいた頃は基本一人でこの大量の本に向き合っていた。

 たまにボウが手伝いに来てくれたりもあったが、一人でいた時間の方が圧倒的に長い。

 だが今は二人が手伝ってくれているお陰であの頃よりも情報の整理が速い。

 

「それにしても、まさか王城の図書館が借りられるとはね。読んだことが無い物の方が多いから助かるよ」

「元々龍の住みかに近いからか、龍に関する資料が多いですね。これならめぼしいものもあるかもしれません」


 ライブラとアイに本を探してもらい僕はひたすらにそれらしいページを探す。夜天龍に関する情報は少ないが、龍について学べることが多い。

 原種である祖龍から生まれた五体の古龍。それぞれ自然の力を宿しており、人の生活に一番近いのは鉄岩龍(てつがんりゅう)のテイテイという。山と間違える程の巨体で、三百年前に今の大陸の南端に移動してきた。

 その体からは鉄などの鉱石が無限に湧き出る為、資源として活用されている。

 属性は土系だと言われているが真相は分からない。他の龍は炎や氷などだが、ステラ…………夜天龍だけが異質と言えるだろう。星の力というのはライブラも言っていた通り、基本的に星王の系統にしか扱うことは出来ないはずの力だ。重力を操ったりするのがライブラの力で、他の星霊にも固有の能力はあるが、それらすべてを扱えるのが王である、ポリコスの権能である。

 振り返ってみると、ステラは星降りという事件を起こしたりとライブラに似た能力であると言える。だが、ライブラが言うには間違いなく星の力であるらしい。つまりステラの龍としての力は不明なのだ。

 華の国に居たとき僕が使ったのは星の力。龍からの干渉の結果ああなったと言われたが、僕はあの時すでにライブラの力…………星の力も使用可能な状態だった。


「この本に書いてある通りなら、龍との契約者はその力を扱うようになったとある。古龍がどうなのかが分からないけど、同じ龍種であるなら大きな違いは無いはずだ」


 龍の属性、契約者ではない僕には分からないが、間違いなく別の力を持っている。そこに僕を遠ざけた理由があるのなら?誰とも会うことのないはるか上空にいる事にも説明がつくかもしれない。あの時の僕の様に、周りを巻き込むことを恐れて一人孤独に生きているのなら…………。


「そういえば、因子に付いて詳しく教えてくれない?いまいちよくわかっていないんだよね」

「そうですね…………少し難しい話になりますが…………」


 説明の仕方を悩んだライブラは、僕にもわかりやすいように少し簡単に話を始めた。


「そもそも因子というのはデータの事です。その者が保有している力や種族、属性や権能といったありとあらゆる情報。この因子が集まり魂と呼ばれる情報体が生成されます。魂とは完成体であり、製錬された情報そのもの。ここに外から因子を取り込むことは不可能です。故に原種に近い種族ほど、他の因子を取り込もうとすると拒絶反応を示し最悪魂が破壊されます。ですが、人や原種から離れている種族はまだ情報が完成していない為、戦闘にから経験値という情報を得て己の物にしてレベルを上げていきます」

「成程…………それがレベルアップの仕組か…………だからNPCにもレベルが存在するんだね」


 この世界にいる人々は全てがレベルというステータスを保有している。根本のシステムは変わらないという事だろう。


「魔獣などと契約すれば、完成に近い物からそうでない魂へ情報が共有されます。その為扱えなかった魔法が使えるようになったり、身体能力の向上などが見られるようになります。例外として、三元素と呼ばれる魔と星と龍の因子は少し変わってきます。この3つは与えられる情報が膨大すぎるため、正確には因子ではなく魂の一部が共有されます。原則1つの肉体に魂は1つまで、完成体ではない魂はまれに適応しますが、龍…………古龍ともなればそれは不可能です。万が一、適応の可能性があるとすれば、それは外的要因があるでしょう」

「外的要因…………?」


 真剣な表情で僕を見つめるライブラは、手に持った本を僕に見せながら言った。


「勇者の一人、我らが王の因子に適応した一等星。彼女の持つ星霊王の力なら…………可能性があります」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ