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賢王の書~ ELSIUM OF EUPHORIA~  作者: LSABA
二章 華の国編
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第98話

手が壊れた原因は虫刺されでした。皆さんも刺されてもかかないようにしてください。菌が入ってとんでもないことになります。なりました。

 視界に徐々に光が戻ってくる。

 ゆっくりと出来上がっていくそれは、まるで星空の様だった。ライブラの空間に似ているかと思ったが、そこよりも空は更に黒く星が眩い光を放っていた。

 足場も無いのに地面に足が付いている感覚がある。ただ、歩いてみても景色は変わらない。広大な星空の下に僕だけが立っていた。


「星は綺麗だけど…………何だろうこの感じ」


 孤独。その二文字が頭に浮かんだ。遠くに浮かぶ綺麗な星、それに対して僕の周りは真っ暗。そして星に手は届かない。星

空の中心に浮かぶ一際輝く蒼星を見ると、その思いが更に強くなった。

 

「翼があれば、星に手が届くと思っていた。強くなれば、誰かの星になれると思った。だが、我が星天は更なる孤独を生んだ。孤独は無を、無は悪いものを呼び寄せる」


 どこからか声が聞こえてきた。近いようで遠い、少し籠った声だ。


「故に、お前は強大な力を持つべきではない。去れ星の子よ」


 そう聞こえた瞬間、突風が吹き荒れ僕は吹き飛ばされた。風が強すぎて目を閉じたが、まるで嘘だったかのように風がやんだ。

 恐る恐る目を開けると、そこには心配そうな様子のアイが居た。


「気が付きましたか」


 地面に寝転んだ状態の僕。その横では五剣がツクヨミにしごかれていた。

 二時間ぐらい経ったのか?日の傾きからして大体その位だろう。でも、体は何日も動きっぱなしだったかのように疲れていた。

 

「何を見た?」


 僕の顔を真剣な表情で見つめる桜さんがそう聞いた。心なしか疲労しているように見えるが、そう見えたのは一瞬だけだった。

 いつも通りの桜さんに戻った後、僕の答えを待たずに話し始めた。


「漏れていた龍気が完全に消えた。天星の干渉があったな?」

「そういえば声が聞こえたような……」


 あの空間での出来事を思い出す。言われてみれば確かに聞き覚えのある声だった。姿は見えなかったが、あの時の黒龍だったのだろう。

 力は渡さないといわれたが、拒絶されたような感じでは無かった。なんというかおじいちゃんに叱られたみたいな感覚だった。

 目的は達成できなかったわけだが正直な話をするとあまり気にしていない。というかそもそもどういう理由であの空間に行ったかも、何一つとしてしっかり理解していたわけではないので、いまいちピンと来ていないのだ。元々無かったものが手に入らなくても、正直なんとも思わない。

 いつかはどうにかしないといけない問題だと思うが、まだ早いって言われたしいつかは解決するだろう。


「龍がそういうんだまず間違いないだろう」

「それにしてもステラですか……あの時は復活してすぐだったのでしょう。道理で気配が分かりにくいわけです」


 そういったアイは難しい顔をしていた。どうやらアイは龍のことを知っているらしい。


「いまいち良く分かってないんだけどさ、アイはあの龍の事どれぐらい知ってるの?」

「私も詳しくは知りません。そもそも住処から滅多に出てきませんでしたし、星降りの後すぐに封印されましたので」


 時は創世の頃に遡ります。伝え聞いた話ですが、世界が誕生して真っ先に生まれた存在が、始祖と呼ばれる原種。その中でも頂点に座す祖龍が生み出した存在の古龍。古龍は祖龍の力をそれぞれ各分野半分ずつ受け継いだと言われています。

 炎、氷等、気温天候を操る力を受け継いだ龍と、創造と干渉を受け継いだとされる龍。これが後の夜天龍。


「何故そうなったのかは不明ですが、私が聞いた話はこれだけです」


 創造と干渉。それが何かはわからないが、生まれた時から天星の力を持っていた訳ではないらしい。

 そのことを知ったからと言ってどうこうなるわけではないが、こういう歴史を知れるのは凄くうれしいし、このゲームをしている中で一番好きなことでもある。


「取り合えず、出来ないことで迷っても仕方がない。今できることをするぞ」


 感覚を忘れないうちにと、目隠し特訓の復習が始まった。一度成功してしまえば意外とできると思ったがそんなことはないようだ。普通に3回に1回は丸太に攻撃される。

 それでも最初よりは出来るようになった事にうれしく思いながら、与えられたメニューをこなすのだった。


質の向上頑張ります!

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