表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

最強と日常 -天才の旅立ち4-

驚く事にその魔力痕はそれほど離れていなかった。

先程いた草原から5キロ程の場所には山に挟まれた小道があり、周りには馴染まない小屋が立っていた。

そして、その小屋で魔力痕は消えていたのだ。


小屋のドアをノックして、声をかけてみる。

「すみません、誰かいますか?」

中からは物音1つせず、静まり帰っている。


「だれも居ないのか…」

また日を改めようとその場を離れようとした時、背後に突き刺さるような魔力を感じた。

大きくはないが今にも噛み付いて来そうな気配、まるで檻の中の獅子にも似た威圧。

たらり、と頭から頬、顎へと冷や汗が滴る。


「お前、何モンだ?どっから来てなんでココへ来れた?」

凄む声に僕は肝を冷やす。


「あ、あの!貴方に用があって魔力を追って来ました!敵じゃないです!絶対!」

緊張と焦りからか、早口で事を伝えた。


「魔力を追って来たってどういう事だ?俺はこっからほとんど動いてねぇし範囲からは出てねぇぞ」

男の言ってる事が理解出来なかった。

動いてない?範囲?じゃあ僕が会ったのは?


「確かに貴方にあったんです!川で危なかった僕は貴方に助けられました!」

嘘は言っていない。100%の正直だ。


「ん…?川で助けられた?」

男の魔力が少し落ち着いた気がした。


「はい!でっかいシーホースに襲われそうになった時です!」

僕は杖を持ったまま両手を上に上げた。


「おおっ!その杖あの時のあいつか!」

男の魔力圧が消え、僕は胸を撫で下ろした。


「そうです。僕は貴方に用があってここまで追いかけてきました。」

僕は振り向くと、あの間抜けそうな顔があった。


「大丈夫だったみたいでよかった!あれから落ち着いたか?」

男は僕の頭を撫でた。


「え、えぇ…おかげ様で…」

僕は少し恥ずかしくなり下を向く。


「でもよくここに来れたな、魔力を追うったって普通の人間には見えないし、感じる事も出来なければ範囲に近づく事すら出来ねぇのに…」

男は不思議そうに指で顎を撫でる。


「あの、貴方から貰った薬草を食べたら魔力を感じる様になっ」

「え!お前あれ食ったのか!?」

言い切る前に男が話かけて来る。


「は、はい…、何かまずかったでしょうか…?」

恐る恐る訪ねる。


「いやぁ…不味いって言ったら味とかになると思うけど、お前身体なんともなかったのか?」

男は少し笑いながら聞いて来た。


「いえ、特にこれと言って何も…」

そういうと、男は僕の肩に手を置いた。


「よし、わかった!話を聞こう、そろそろ暗くなって来るし中に入れ!」

男は手に少し魔力を込めるとそれに反応する様に扉が開いた。


小屋に招かれた僕は、目の前の光景に言葉を失い驚愕する事になるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ