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ラノベ主人公の隣には頼れる親友が居るものだよね



クラス発表が終わり、各教室へと移動している。が、只今めんどくさい奴に絡まれている。


「なぁ聞いてるか?なぁ、おい、ちょっと、なぁ、ちょっと、おい、なぁ、おい、ちょっと………」


うぜえ。


くそっ、クラス発表を適当に聞いていたから分からなかったが、よりにもよってこいつと同じクラスとは…。

さっきから無視してるが、こいついつまで付きまとって来るんだ?無視している奴に何故話しかける。

バカなのか?いや馬鹿だったな。

このままじゃ埒があかない。仕方ない、相手してやるか。


「あぁ、居たんだ青馬あおば、気が付かなかった、おはよう」


「おう!やっと気付いたか親友」


おい、いつ親友になったよ。


「新しいクラス楽しみだな」


そんな呑気なことを言っているコイツは 鹿目青馬かなめあおばと言う。


1年の時にクラスが一緒だった際、俺が最初に話しかけた奴がコイツだ。


今思えば貧乏くじを引いたと思う。

コイツと一緒に居ると悪く言うと厄介、良く言うと愉快に過ごせるからだ。


1年の時も散々な目にあったので今日から1年、様々な事が起きるだろうな。


「あぁそうだな、だが今年はあんまり厄介起こすなよ?」


「ガハハハ、おれがそんなヘマしたかよ、甘く見てもらっちゃ困るぜ」


したよ、してるよ、するよ。

自覚ねぇのかコイツ。


「それよりよぉ、今年もうちのクラスに柑奈ちゃん居るじゃんかぁ、めっちゃラッキーだよな、オレェ」


オエェみたいなえづいた感じで俺ぇって言うな、相変わらず気持ち悪い喋り方だな。

1年の後半には気にならなくなってたのに、春休みを挟んだせいで感覚が常人に戻ったのか。


「でも青馬お前、去年散々フラれてたじゃないか。まだ諦めてないのか?」


「おう!オレの柑奈ちゃんへの愛は、一生かかっても冷め切れねぇぜ!!」


ドンマイ吉田さん。

清潔感の真逆に位置するような男に一生好かれるのは流石に気の毒だが、俺は君の事が嫌いなんだ。

ザマぁみッ、…おっとぉ、ゴホンゴホン。俺は紳士キャラなのだから汚い言葉は控えなければ。


「でも青馬、もしもめちゃくちゃ可愛い転校生が来て、お前のこと好きって言ったらどうすんだ?好きになっちゃわないか?」


「馬鹿にすんじゃねぇ!俺がそんなチャチな誘惑に負ける訳ねぇだろ、俺は柑奈ちゃんの可愛さに惹かれたんじゃねぇ、心意気に惹かれたんだ!」


ぜってぇ嘘だな。


「そこまでかよ。っていうか何でそんなに好きなんだ、なんかきっかけあるんだろ?」


「ああ、もちろんあるさ。

あれは桜舞い散る今日この頃、皆さん入学おめでとうございます。

並びに、本日ご列席の保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。そんな言葉が聞こえて来る日だったぜ」


いやそれ入学式だろ?よく覚えてんな、PTA会長の挨拶とかだろそれ。


「その頃オレは新しい環境にまだ慣れてなくてよぉ、登校初日なのに迷子になって遅刻しちまってたんだ」


いやどこで迷子になってんだよ、多分それもう学校内入ってるよね?

そこまで来れたならあとは声のする方に行くだけじゃない!?


「そんな時、オレに優しく声をかけてくれた子がいたんだぜ」


「それが吉田さん?」


「ああ、そうだ。柑奈ちゃんはその時汗びっしょりになって、オレを案内してくれたんだ。その時は何で汗かいてんのか分かんなかったけど、今思えば困っているオレを見つけて全速力で助けに来てくれたんだって事が分かったぜ」


いや何もわかってねぇよ。

それに吉田さんも遅刻してたのかよ。丁度そこに居た青馬を言い訳に使ったんだな。


「それでオレ一目惚れしちゃってよぉ、こんなにも人に心配されたのは初めてだったから嬉しかったぜ」


「そ、そっか、良かったな青馬」


本当に良かったな青馬…馬鹿で。



「おうよ!だからよぉ、中1から4年間思い続けた柑奈ちゃんへの想いはぜってえに変わんねぇってことよ!」


「いや、まさかの吉田さんと同中かよ!」


何かいツッコませるんだ。

てっきり高校の入学式かと思ってたわ。

って言うか、吉田さんは4年前からコイツに付きまとわれてるのか、それは本当に可哀想だな。


そんな話をしているうちに2年7組の教室へ到着した。



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