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納棺師の憂鬱  作者: Tz
1/1

1戒 成仏してくだせぇ

「故人様のご冥福をお祈りし合掌をもって納棺の儀式とさせて頂きます。皆様お手合わせお願い致します」


ご遺族サン方にそう言うとアタシはいつものように

無感情に決まった動作で手を合わせ頭を下げる


グラスの氷が爆ぜる音

大して役に立っていない扇風機の駆動音


世界から人類が消えたかのような静けさ



「・・・・・・皆様、お直りくださいませ」


アタシの一言で消えていた人類が戻ってきた

そんなつまらないことを考えていた





儀式も無事終わり挨拶を済ませ訪問先を後にする




アタシも十何年とこの仕事を続けてきて困りごとや悩みごとの一つや二つはある


「おや、そこの若いの」


具体的にはご遺族サンがどんなに泣いていたとしても一切泣けず悲しくもならないこと


「さっきはすまんの、綺麗にしてもらって」


しかし、プロとしてご遺族サンの気持ちに寄り添わなくてはいけないということ


「・・・・・・おーい、若いの?」


それから最近特に困っているのが・・・・・・


「おーーい!!おーーーい!!・・・・・・はぁ、流石に聞こえぬか」


「聞こえてますから、あまり大きな声で話しかけないでくだせぇ」



そう、一年くらい前からアタシが携わったご遺体の

幽霊が見えるということ


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