鷹求 2
蛇足編かも。
志貴へ
いつでも備えを忘れるな、っていつもお前が言うから、
たまにはいうとおりにしてみようと思う。
必要ないと思うし、めんどくせえな。
でもお前、賢いくせに時々何でか全然わかってねえとこあるし。
これ読んでるってことは、俺はもう死んでるんだろ。
そんでお前は落ち込んでる。
仕方がない奴。
贄になる時、俺はお前より先に死ぬことを受け入れた。
それは別にすげえ覚悟とかじゃねえよ。
贄になんかならなくても、俺はお前より先に死んでたと思ってる。
どっか旅の空で野垂れ死。
ジジイになって子や孫の、なんて柄じゃねえよ。
贄になったのも後悔してねえ。
いやむしろ、俺の会心の成果?
俺はやりたいことやって、やりたいように生きた。
お前と色々やったのもおもしろかった。
だろ?
俺はお前の死ぬとこなんざ一生見たくない。
うわ、これ言葉が間違ってるとかいいそうだな、くそ。
とにかく、俺はお前が死ぬとこ見ないで済むからほっとしてる。
そっちは俺を看取らなきゃならなくて悪いな。
お前の目指してるものが見れないのは、残念だけどな。
お前ならやり遂げるだろ。
それにさ、贄の絆って、魂なんかも結びついちまってんだろ?
身体無くなってもお前の側にいるんじゃねえの。
だからさ、落ち込んでねえで、動けよ。
さっさとやり遂げちまえ。
そんで、俺と世界を見て回ろうぜ。
わかったか? だから、しけた顔してねえで笑ってろよ。
鷹求
これで、とりあえす志貴と鷹求の話は完結とさせていただきます。お付き合いありがとうございました。
エピソードとしてはまだ書いてないこともありますが・・・。
創作するのは、久しぶりで、実はリハビリがてらでした。
独立の日1話の短編の予定が、志貴も鷹求も動き出して、書ききれず、おかしな形になりましたが、連載の形にしてしまいました。
よくない点のご指摘も含め、ご感想いただければ、真摯に受け止め精進したいと思います。