彼と私
枯れた観葉植物の葉
すえた煙草の匂い
締め切ったカーテン
そこに彼は座っていた
交わることのない視線
はだけたパジャマ
開くことのない唇
窓を開け外の風を入れる
身の置き所がなく掃除を始める
枯れた葉っぱを捨て
ヤニで汚れたカーテンを洗う
シャワーをしてくれない
髭も剃って
それでも彼は素直に従った
掃除機をかけ
部屋をかたずけていく
けれど私の居場所はなかった
時が流れてしまったことを知る
髭を剃って洗濯した服を着た彼
また元の場所に座る
何かが違う
なんだろう
その時彼が私に微笑んだ
認めざるを得なかった
私は泣いた
声を押し殺し泣いた
この部屋で生き延びた
彼の長い時を思った
病院に行こうか
もう一度彼は微笑んだ