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武装警備員の警備日誌  作者: 本松 道隆
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case001 機密文書奪還作戦1

0900 東京都多摩市 オリエンタルセキュリティシステム多摩第1センター1F喫煙所


「そういや、松ちゃんって元自(元自衛官)だよな、元自で井筒ってやつ知ってるか?」

と、古田は聞いた。

火を着けたばかりの煙草を吸っていた松本は「知ってるもなにもありゃとんでもねぇクソッタレだわ。PKOに行きたくないから自衛官辞めて、今じゃテロリストに肩入れしてる野郎だな」と、答える。

「かつての安保反対派の先頭切ってた学生どもも今じゃテロリストに成り下がったもんだな」

「所詮はお遊びのデモやってて引くに引けなくなったんだろ。全く可哀想な奴等だ」

と、今井は哀れむように言った。

「自衛官を馬鹿にするような連中に慈悲など無いわ。一発でも撃ってきたら情け容赦なく反撃してやるけどな」

松本は怒りを含むように言う。


3人が話しているのは、かつて集団的自衛権を含んだ安保法制に反対していた学生の団体のことである。連中のデモなど無意味に等しく無事に安保法制は成立した。

それにより、武力による革命を唱えだし警察施設や防衛省関連施設等への迫撃弾や爆発物によるテロ活動に傾倒し多くの負傷者を出していっている。そのなかには罪の無い民間人も多くいる。

そこまでしても、鳥越などの所謂知識人たちは連中をテロリストではなく現政権に対抗するレジスタンスだと持て囃し庇い続けている。

「テロリストに慈悲などあるか。また、それを庇い持て囃す奴にも慈悲など無いわボケどもが」

と、松本は沸々とした怒り・不満を口にした。



『チーム54、直ちに作戦課会議室へ集合せよ。繰り返す…』

と、松本、古田、今井の3人を呼ぶ放送がセンター内に発せられる。


「さてさて、お仕事かな」

「丁度、退屈してたとこなんだよな」

「ウチらを呼ぶってことは相当なことなんやろな」

と、3人は煙草の火を消し煙缶(吸殻入れ)に捨て作戦課会議室に出頭した。




0925 作戦課会議室

「チーム54只今出頭しました」

と、松本いい入室した。


会議室には、作戦課長と作戦課の社員、それに総務課長もいた。

「来たようだな。それでは、始めるか」

と、作戦課長は待ちわびたように言いブリーフィングが始まった。


「先程、わが社の警備計画書等の重要文書を搬送中に何者かの襲撃を受け奪われてしまった。幸い怪我人は出なかったが警備計画書を奪われたのは大きな痛手だ。君たちチーム54には奪われた文書の奪還だ、どんな手でも使って取り戻すんだ」

「了解。それで敵に関する情報は?」

と、松本は総務課長の命を受けた。


松本の質問に作戦課の社員は、「今のところバカの方のシールズの可能性が高いと思われます」と、答える。

シールズと聞くと、かつての学生集団だったテロ組織かアメリカ海軍の特殊部隊のどちらかになる。混同しないように例えられるのが、優秀な方とバカの方と言われることもある。前者は特殊部隊で後者はテロ組織を表している。

さすがにブリーフィングでバカの方と言うのはさすがに何だかなとは思うが口にはしない。作戦課の社員にも僅かに語気に怒りを含んでいたからである。


「ブツは何処に行ってるんだ?」

と、今井は聞いた。

「ケースにはトレーサーが付いているから大方の場所は判明している」

「トレーサーの反応だと、現在町田市野津田町内の廃校となった施設にいると思われます」

と、作戦課長と作戦課の社員は答える。


「短期決戦でさっさと脅威を排除しなけりゃなでないと後回しにするとその損害は大きくなる」

と、古田は言う。

「そうだな。早速現地に急行し文書の奪還と脅威の排除を実施します!!」

「うむ、頼んだぞ」

と、松本の復命に総務課長は大きく頷き言った。

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