大切な思い
二年前私は一目ぼれで悟君に恋をした
優しい彼はどこか特別だった
私の心では彼の好感度が高まっていく
中学一年になった私は悟君とは離れ離れ・・・
といっても隣のクラス
でも悟君がいないととってもさみしかった
周りの子は中学生になると同時に彼氏を作ったり・・・私には関係ないことだと思った。
彼氏なんて私には無理、というか縁がない
何せ恋愛なんて片思い以外したことがないから
でも心の中ではいつも悟君でいっぱいだった
「はぁ、悟君・・・」
ため息交じりで一番後ろの窓側の席で私はつぶやく
(悟君・・一目でいいからみたいな)
隣のクラスなのに、あんなに仲が良かったのになぜか話に行く勇気すらなかった私
それに、悟君は女子の友達が多かった
(人気者だもんな・・・私なんて・・・)
女の子と仲良く楽しそうに話す姿は毎日のように見ていた
私が話に行けなかったのもそのせいなのか話さないでただ見つめているだけの時間だけが長かった。
こんなにも好きなのに話に行く勇気すらない
ましては悟君が好きだなんて誰にも言っていないから相談もできない
「悟君・・・」
私は繰り返すように名前を呟く
すると前の席の友達美月はため息をついている私をじーっと見つめてきた
「ねえひかり、あんたさー好きな人いるでしょ」
「なっ、なにおおお」
図星で思わず変な対応をしてしまう
「さっきからさーため息ばっかり好きな人がいるなら告っちゃいなさいよ」
「いやいや、そんな勇気ありませんから」
美月は私と違ってとっても行動力のある子だ
それに・・・性格がキツイことで有名
なぜ私たちが仲良くなったかというとちょっと言い争いをして私が切れたおかげもあったからだった
「ひかりさーそんなことしてると好きな人誰かにとられるよ」
それを聞いた私は思わず悟君の名前を叫んでしまった
「悟君が誰かにとられるなんてぜーったいに嫌だ!」
息を荒くしながら美月に吼える私
だけど美月は笑った
「へーあんた悟のこと好きなんだ」
「なんでそれを知ってるの!心読めるの!?」
私は一瞬美月がすごいと思った
表情だけで読み取れるなんて超能力者か何かだと勘違いをした
「あんたねーどこまであほなの!自分でいってるじゃんバカじゃないの」
「ううっそういえばそうだったごめんなさい」
私はかなり反省した美月は怖いので言うことはしたがっておいたほうがいい人だから
「んで、あんたさー悟に告白するきあんの?ないの?」
「いや、ああ、でもー悟君に振られるの怖いし」
「あんたねどこまで馬鹿なの!?そんなんだからいつまでも彼氏もできないのよ!」
美月は私に半ギレしている
「美月はいいよねーそういう勇気あってさ」
「あたしはあんたと違って行動できますから、でもね言っとくよ思いも伝えられないまま誰かにとられて後悔するより思いを伝えて後悔したほうが気分がいいでしょ 何も伝えられないまま誰かと幸せになるのあんたは見てられんの?もし、悟が誰かのものになったらあんたやっていけんの?勇気出しなさいよ」
美月のお説教はどこかいつもためになるところがある
私に勇気をくれるのもいつも美月だった
「勇気か、でもどうやって告白すれば・・・」
「あたしがいるじゃん!あたしのこと使いなよ」
美月は自信満々に私を見つめてくる
「美月・・・ありがとう!」
「よし、覚悟ができたのね」
「うん!」
わたしは覚悟した悟君にいつか告るそう決めた
だが美月は私の覚悟も裏腹に
「じゃあ今日、今日コクリなさい決心が固いうちに言ったほうがいいよ!あんたどんくさいし逃げられる前にね」
さりげなくひどいことを言いながら重大なことを言っている
「ま、まってきょ、今日とか!ぜーったい無理!」
「あんたねー悟がこのまま誰かのものとか嫌でしょうが!」
美月の怒りに押されひかりは悟に告白することを決意した
午後の授業をまともに受けないでひかりはずっと告白のことを考えていた
(なんて言おう、悟君にもしも振られたら)
振られることを考えると涙がこみ上げてくる
(悟君・・)
ひかりは先生の授業など聞こえていない
悩みに悩んでいると美月から手紙が回ってきた
“ひかりへ きっとあんたのことだから振られるとか考えてるんでしょ
バカなこと考えている前に告白成功したこと考えなよ
成功したら悟はあんたの彼氏なんだよ彼女らしくすることぐらい考えたら”
美月らしい手紙だった
(私の彼氏かぁ)
そう思うだけでなぜか照れてきた
(悟君が私の彼氏に)
私はずっとぼーっとしていた
やがて時間は過ぎとうとう放課後・・・告白の時間がやってきた
今にも潰れそうなわたしの心臓は鳴りやむことなくずっと響いていた
美月は悟君を呼びに隣のクラスに行ってしまった
(どうしよう、なんていえば)
逃げれるなら逃げたいくらいだった
でも逃げたら何も始まらない
心臓はいまだに鳴り響いている
しばらくして美月は悟君を水道場に呼び何やら話している
(何話しているんだろう)
私は不安になりながらも水道場にいる悟君を見つめた
(悟君・・・今日だけは私のわがまま聞いてください)
そう願って私は美月の話が終わるのを待ち緊張していた
やがて美月は私のもとへきて
「ひかり、言ってきな悟に思い伝えなよ」
「う、うん」
美月に後押しされるがまま私は悟君のもとに行く
悟君はとっても驚いていた
「涌沢さん!?」
「さ、悟君久しぶり・・・」
そっけない返事で一発目から出てしまった私・・
「あ、あのっ!」
「ん?」
私は思い切って思いを伝えることにした
結果はどうであれ思いを伝えたかった
「小学校のころから好きでした!私と付き合ってください!」
思い切って伝えた短くて長い時間
頭を下げながら一生懸命伝えた
周りで見ている人もたくさんいたけど気にしない
今はいつもと違って最初で最後の勇気を見せようと思ったから
悟君はびっくりした顔で私を見ていた
(駄目だったのかな)
私はあきらめようと思ったその時だった
悟君は緊張しながら
「俺なんかでよかったら、よろしくお願いします」
私はうれしかった
憧れの悟君の彼女になれた
そう思うだけでとっても嬉しい
陰から見守っていた美月はすぐに駆け寄って祝福してくれた
(悟君!私あなたが大好きです!)
これが中学の私の思い出
初めて友達から勇気をもらって
その勇気を告白で使って
念願の人とお付き合い
私はとっても嬉しい
最高の中学の思い出でもあり一生の記憶だ
その一年後私にはいまだにわからない理由で悟君とはいったんお別れしました。
私は泣いて廊下を走って部活に行きました
悟君は追いかけようとしたけど・・・
私は未練があるせいかお別れしても悟君が大好きで大好きでしかたなかった
受験ということもあって忙しかったからかもとそのころは思っていたから
高校には二人とも無事合格
離れ離れの高校だけど決して遠いわけでもない
むしろ近いほうだ
だけどどこかさみしい思いもあった
出会いと別れがあるけど私の青春はまだ始まったばかり
「おはよう悟君!」
「おはよう涌沢さん 今日も晴れていい日だね」
「そうだねっ!じゃあ学校いこっか!」
「おう!」
ここまでで小中のひかりの話を書きましたがまだ続きます!
ひかりはこんなんで終わる子じゃないと・・・思いますw
ココからが本番だと思ってください
今まではひかりの回想だと思ってください!
涌沢ひかりと酒田悟はきっと・・・・
おっと、ここじゃ言えませんな
次回から本格的な内容で俺と私の青春が始まります!
(いままでも本気で書いてます)
よろしくお願いします!