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朝の廊下のいつもの会話。

「賑やかだったね」


開口一番、大谷の言葉に俺は深くため息をつく。


「生きた心地がしなかったよ」


そう言いつつ、昨日の会話を思い出す。


(こういうとき、大谷は神経太く見えるんだよな)


昨日(俺の感覚では)辛辣な言葉を投げかけ、朝から不良軍団に囲まれるような俺に対しての挨拶がこれだ。

ただしこれは消化が終わった物事に対しての言葉が出てこないだけだ、という事に気がついたのはつい最近で、実は神経が太いわけでもなんでもない。

それに気づかず勘違いしていると結構簡単に傷つくし、落ち込んでいたりする。

しかも翌日まで引きずってくるので、この時間に察することができる。


ちなみにすぐ判断することと、割り切ることは全く違う事だ。


俺も比較的即断即決するほうだけど、割り切るのは遅い。

判断は理性だけど、割り切る、つまり納得するのは感情の問題。


感情の部分もすぐ割り切れるやつは、薄情に見えるだけでなく物事の本質に根付く問題に気づかなかったりする。なぜなら、どんな問題も人間が関わる以上感情の問題も含まれていて、それはふわふわと掴みどころがなく、変質し続けるものだから。

これを理解するためには、 時間をかけてそれと付き合い、考える必要がある。だからすぐには割り切れない。


だから今目の前にいる大谷の中にある問題も、恋愛というまさしく感情によって左右される問題なのでかなり時間をかけないと割り切れない。

昨日の回答はあくまでも今すべき事を伝えただけで、それで問題が解決するわけではない。それによって新たな問題が次々と発生するはずだし、それを片付けていく必要がある。

恋愛の相談というのは、つまりこんな感じで長期的な対応が必要になる。

だから、面倒くさい。


「みっきー、眉間にしわ寄ってるよ?」


「おっと。」


そんなことを考えていたら難しい顔をしていたらしい。

さて、今日も一日が始まる。


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