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Real world  作者: red star
4/4

3.人類最初の

2ヶ月も待たせてしまってすみません。

始まります。

「もう1時……もうそろ10レベになるから10レベになったら寝るか」


充月はメニューの左下に映る現在時刻を見て呟く。


途中、星見月の名前を見た前作のプレイヤー達が充月のことを自分達の流浪や私兵団に誘おうとしたりして来たが、全て断った。


言い忘れたが、流浪や私兵団というのはギルドジャンルと言われるギルドの種類である。ギルドジャンルは4つあり、それを少し説明しよう。


一つは流浪。

好きなように戦争やモンスター討伐に参加して、ある程度自由に動けるギルド。


だが自由度が高い故のアイテムと金の収入の不安定さがあり、酷い時は金の収入はゼロ、アイテムは零れ物というようなレベルにもなる。


流浪だけでクエストや戦争を行えない代わりに他ギルドのクエストや戦争に参加することができる。


クエストならクエストを受けたギルドリーダーに、戦争なら加勢する側のギルドリーダーに挨拶のダイレクトメールを送るのが礼儀で、了承が出てから参戦するのが基本。


だが、戦争の場合は全く別の第3勢力として挨拶無しで無差別に斬っていくのも手の一つ。


クエストの時にそんな事をすれば荒らしとしてギルドごとブラックリストに載り、マナー違反が繰り返されればギルド解体後にギルドリーダーのデータが消えるなんて事もざらだ。


二つ目は私兵団。

貴族などが雇い主になり、雇い主からのクエスト以外のクエストには一切参加できない。


一応どの国にも存在するが、アインスは王族以外は全て庶民なので貴族という階級が存在しない。


つまりアインスでは王族直属のギルド=私兵団という形になる。

他では基本的に貴族に雇ってもらうのが基本。


雇い主からの報酬+達成報酬の二つが貰えるので収入が安定しているが、自由度が低い。


そして他2つは私兵団と流浪それぞれの上位互換のもので、私兵団の上位互換になるギルドが騎士団。流浪の上位互換になるギルドが傭兵団となる。


1つのギルドにつき名声というステータスがあり、戦争で武功を挙げたりクエストをクリアしていくと名声が上がり、逆に戦争で足を引っ張ったり何もしなかったり受けたクエストを破棄、クエストに失敗すると名声が下がる。


この名声というステータスが一定以上になるとギルドレベルが上がる。

そしてギルドレベルが一定以上になると私兵団は騎士団へ、流浪は傭兵団へとギルドジャンルが変わるのだ。


ちなみに俺が前作からのフレンド達と組むギルドは流浪だ。

私兵団も条件は悪くはないが、どうにも性に合わない。


「ん、思ったより早く10レベになったな」


そしてゲームの電源を落とす午前2時。

頭に取り付けた『ヴィジョン』を取り外して床に置くと、電気を消してリビングへと向かう。


するとそこにはテーブルに突っ伏す綾花の姿があった。

多分俺のことを待っていたが途中で力尽きて寝てしまったのだろう。


そしてテーブルの上には今日の夕飯と思わしき麻婆豆腐とご飯、そしてキッチンの鍋の中には味噌汁。


「ありがとうな」


俺の為にここまでしてくれるのは綾花と両親くらいしかいないだろう。

綾花が目を擦って寝ぼけ眼でこちらを見つめてくる。


今度ははっきり聞こえるように言う。


「ありがとな」


そして頭を撫でるとくすぐったそうに口元を綻ばせながら目を細めて言う。


「どういたしまして、お兄ちゃん(・・・・・)


唖然とする俺の横をトテトテと小走りで去って行く綾花。


「これは……思った以上に破壊力抜群だな…….」


それから寝るまでの間、にやけが止まらなかった。













「んあ……」


いつもどおり目覚ましで起きる朝。

何も変わらない一日の始まり。


朝の情報番組を綾花と共に見て、ご飯を食べる。

天気を確認しようと天気予報のコーナーだけはしっかりと耳に入れようとテレビの画面を見た。


そしてお天気お姉さんが今日の天気について詳細を言っている最中。


"関東地方では夕方頃ににわか雨が…"


お天気お姉さんのすぐ後ろの風景が揺れる。

そして音も無く忍び寄る死神の影。


声も出ない。

心臓がドクドクと痛い程に脈打つ。

恐怖と困惑。

その姿が露わになると同時、真っ黒な大鎌が振るわれる。


ストン。


そんな音がなったかと錯覚する程に綺麗に落ちた、首。

理解が及ばない。

いや、したくない。


首が落ちた場所から血だまりが出来上がる。

死んだことにすら気がつかなかったのだろう、地に首が落ちてなおその顔には笑顔が飾られていた。


それが妙に怖くて、初めて声が漏れる。


「………なんで」


それだけしか言葉にならない、出来ない。

あれを知っている。

いや、あれには初見の人は随分と苦労するだろう。俺もそうだった。


だが、なぜゲームの中のモンスターが現実ここにいるのか。

画面が花畑へと切り替わる寸前にゲームの中の死神が言葉を吐く。


「喜べ、貴様が人類最初の犠牲者だ」


綾花はまだ茫然自失していてる。

いや、嘔吐しないだけまだマシか。


「なんで……」


いつもの朝、全てが日常であった中、日常は破壊された。


ここから先は非日常。

全人類がすぐそばに死を幻視する



現実世界(リアルワールド)だ。

今回どうでしたでしょうか?

綾花が可愛いと思っていただければ大満足ですww

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